日本におけるConTech(建設テック)関連のニュース 2021年7-9月分をまとめております。
部屋探しのアプリシフト、100万DL突破「カナリー」が12億円調達(Link)
賃貸紹介のカナリーはAIを活用しておとり物件などによる情報の重複を極力なくすとともに、アプリでの部屋探し体験に特化してプロダクトを開発することで細かい使い勝手を磨いてきた。直近では毎月約10万件のペースで新規ダウンロード数を増やしており、累計ダウンロード数は100万件を超える。
建設ロボット開発でゼネコン16社連合(Link)
鹿島と清水建設、竹中工務店を幹事とする建設会社16社は2021年9月22日、建設ロボット・IoT 分野の研究開発を共同で実施する「建設RXコンソーシアム」を同日付で設立したと発表した。大手3社による技術連携に準大手・中堅も加わることで、ロボットなどの開発や普及を加速させ、建設業界全体の生産性向上につなげる。一方、大成建設と大林組は参加を見送った。
渋谷区のマンホール約1万個の情報を3日で調査(Link)
NPO、ホール・アース・ファウンデーションは、ゲーミフィケーションの力によって、人々を巻き込み、渋谷区にある1万個のマンホールの劣化状況をわずか3日で調査した。日本鋳鉄管と共同で開発する「鉄とコンクリートの守り人」というゲームアプリを用いて、マンホールの蓋の写真を市民に撮影、投稿してもらい、初日に78%回収を達成。3日で1万個ある全てのマンホール情報が回収した。
清水建設、床張りロボを開発、7割省人化を目指す(Link)
清水建設は、オフィスビルの床張りを自動で作業できる多機能ロボットを開発した。床を支える支柱から床材の設置までを2台のロボが手掛け、7割の省人化につながる。2021年度内に10台を運用する体制を構築する。建設業界は人手不足が続いており、全国のオフィスビルなどの施工現場に導入していく。
大成建設、AIで建設現場のCO2排出量算定するシステム開発に着手(Link)
大成建設は、人工知能を使って建設現場の二酸化炭素(CO2)排出量を算定するシステムの開発に乗り出す。建設に使用する重機の様子をカメラで撮影し、稼働状況に応じてCO2の排出量をAIで自動計算する。排出量の算定を効率化したうえで正確に測れるようにして、排出削減の取り組みを加速させたい考えだ
建材・家具探しの負担軽減 テクチャー、1.2億円調達(Link)
建築家向けの建材・家具の検索サイトを運営するtecture(テクチャー、東京・渋谷)は、コーラル・キャピタルなど8社から約1億2000万円を調達した。同社はメーカーを横断して建材や家具を探すことができるウェブサイトを運営する。建築業界では現在でも紙のカタログを利用している場合が多く、探索作業の負担が大きい。調達した資金を使ってサイトの機能拡充などに向けた開発体制を整える。
南極観測に住宅メーカーの技術 ヒノキヤGが断熱材を提供(Link)
住宅メーカーや建設各社が自社の技術を極地で生かそうとしている。11月に出発する「第63次南極地域観測隊」の雪上車には1台、新型車両が加わる予定、新車両の断熱材は、ヒノキヤグループ傘下の施工会社、日本アクアが独自に開発した「アクアフォームAQ700」。アクアフォームはウレタン断熱材シリーズで、主力製品は住宅向けに使う。原料となる2種類の液体を施工現場で混ぜ合わせ、壁などに吹き付ける。白い泡状になって壁に隙間なく張り付き、断熱性を発揮するとともに気密性や吸音性能にも優れる。フロンガスを使わないなど環境にも配慮している。
大成建設、重機操縦者の事故防止 AIが危険検知(Link)
大成建設は建設機械のオペレーターの労働災害事故を未然に防ぐシステム「T―iSafety Operator」を開発した。人工知能(AI)が操縦中の行動などを解析して、危険行為を検知すると、操縦席内に警報を鳴らす仕組み。操縦席内のカメラでオペレーターの骨格や身につけている装備を撮影する。オペレーターが操縦席から身を乗り出したり、操作レバーなどが引っかかりやすい反射ベストを装着したまま操縦したり、といった危険行為を検知する。危険行為はクラウド上で記録され、現場責任者の間で共有できる。
米スタートアップ「マイティ・ビルディングズ」、3Dプリンターで10日で住宅建築(Link)
スタートアップ、マイティ・ビルディングズは、自社工場で3Dプリンターで住宅を製造、そのまま大型トレーラーで運んで施工するビジネスモデル。3Dプリンターには事前に図面データを入力する。データ通りにノズルを動かし、紫外線を当てるとすぐに硬くなる特殊な建築素材を噴射して積み重ねる。例えば、天井部分の工程では柱やパネルを設置した後、上から覆うように建築素材を噴出して形成していく。固まった層は外壁や床材などになるため、大がかりな現場工事は要らない。一人暮らしなどに向く小型住宅なら、10日程度で製造から施工までできるという。国内大手住宅メーカーによると、戸建て住宅の建築は2カ月ほどかかる場合が一般的。
コンクリートの練り混ぜ時に液化二酸化炭素(CO2)を噴射吸収させる技術が、北米で急拡大(Link)
2007年に設立したカナダのCarbonCure(カーボンキュア)が持つ二酸化炭素(CO2)固定技術に世界が注目している。米Microsoft創業者のビルゲイツをはじめとする富豪が共同で設立したファンドやAmazon.comの環境ファンドも投資している。ハワイ州の高速道路のコンクリート舗装や、LinkedIN(リンクトイン)がカリフォルニア州シリコンバレーに建設した新本社の社屋に使用されており、アマゾンが、バージニア州に建てる第2本社ビルなどへ使用する方針を発表している。
上海に3Dプリンターで作られた伸縮可能な橋が登場(Link)
上海において、「万年輪」と名付けられたこの橋は最大20人が通行可能、橋の本体はわずか850キログラムで、石でできた橋の1万分の1にも満たない。この橋の材料は全て3Dプリンターで作られている。縮可能な9枚のパネルで構成されており、36枚の三角パネルが橋側面で手すりとなっている。17枚の四角いパネルが床版となる。
清水建設が巨大な施工現場を集中監視、虎ノ門・麻布台PJにSmartStationを投入(Link)
清水建設は東京都港区で施工を手掛けている「虎ノ門・麻布台プロジェクト」で、同社が掲げる建築工事現場のデジタル化コンセプト「Shimz Smart Site(清水スマートサイト)」を投入。新端末「SmartStation」の配備を進め、統合監視室「Smart Control Center(スマートコントロールセンター)」で、現場から集まる情報や映像を集中監視する。施工管理者や現場担当者はスマートステーションの画面を見れば、必要なときに必要な相手とコミュニケーションが取りやすくなる。個別に端末を持ち歩かなくても、施工に必要な情報は一通りそろう。
建設業界のスタンダード・価値観をテクノロジーで変える「CONTech GP」が募集開始(Link)
ショーケースは、竹中工務店、ウィルグループと共同で、建設業界の課題解決に向けて「CONTech GP」を主催し、スタートアップ企業からの応募受付を開始します。受付期間は、2021年8月17日まで。