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配達まで55分!?中国で話題沸騰中のオンデマンド配送サービス『LALAMOVE』とは?

  • eコマースの普及により、配達員不足や配送効率の悪さが問題に
  • LALAMOVEはオンデマンド配送によって、迅速かつシンプルな配達を実現
  • 大型車の取り扱いもあることで、建設現場での突発的な資材調達にも活用可能

はじめに

画像引用元:https://www.lalamove.com/global

現在多くの国で、ネット通販などのeコマースの普及に伴い、配送業者への需要が高まっています。しかし、配送現場では、配送量の増加に伴う人手不足や、再配達率の増加、ルート配送による効率の悪さが問題となっています。

また、そのような状況の中で、消費者がより迅速な商品の配送を求めるようになったことも、配送業者の負担を大きくする一因に。これによって、自社の配送システムを有する、即日配送可能な大企業と、従来の配送サービスしか手段のない中小企業の間に、顧客獲得という面で、大きな差が生んでしまいました。

今回はオンデマンド配送によって、迅速かつシンプルな配送を実現し、それらの問題の解決を試みる企業『LALAMOVE(ララムーブ)』についてご紹介いたします。

LALAMOVEとは?

画像引用元:https://www.lalamove.com/global

Lalamoveは2013年に創業された香港を拠点とする、都市部型オンデマンド配送会社です。同社では、フードデリバリー、eコマース、建設資材の運搬などの、大小様々な品物のオンデマンド配送サービスを展開しており、優れた利便性、スピーディーな配送が高い評価を得ています。こうしてLalamoveは2020年9月末までに中国本土の352の都市で運用され、48万人のドライバーを有し、月間720万人のアクティブユーザーの獲得に成功しました。また、同社の顧客は個人だけでなく、eコマース大手のJD.com、国営の石油精製業者Sinopec、小売業ではセブン-イレブンなどの顔ぶれが並びます。

画像引用元:https://techcrunch.com/2019/02/20/lalamove-raises-300m/(Lalamove CEOのShingChow氏)

同社は2021年1月にはシリーズFのラウンドにおいて、Hillhouse Capital Group(ヒルハウスキャピタルグループ)や Sequoia Capital China(セコイアキャピタルチャイナ)から15億ドル(約1,600億円)を調達しています。そして、10億ドル(約1,065億円)以上の調達を達成したことで同社はユニコーン企業の仲間入りも果たしました。

また、2020年のコロナウイルス影響下においてはLalamoveの利用率は50%増加しており、パンデミックでさらに同社の将来性に期待が集まっていることがわかります。
それでは、オンデマンド配送という分野において大きな注目を浴びている同社がどのようなサービスを展開しているのかを早速みて行きましょう!

シンプルかつ迅速な配達システム

画像引用元:https://www.lalamove.com/global

これまで、配送業者を通して物を送るという作業は、品物を送る側の企業や個人にとって、多くの手間や時間を要するものであると同時に、配送業者が一定のプロセスに沿って配送を行うため、消費者の元へ商品が届くまでには、一定の時間を要していました。

これらの煩わしい作業を簡易化し、消費者へより早く商品の配送を可能とするのが、同社のオンデマンド配送サービスです。

アプリ1つで簡単に配送手配

画像引用元:https://www.lalamove.com/global

従来の配送には、多くの手続きが必要でしたが、Lalamoveの配送手配は専用のアプリを使った、非常に簡単なものとなっています。利用の際の基本的な流れは、配送車両と集荷宅配場所、宅配希望時間をアプリで選択して、マッチングしたドライバーに荷物を渡すのみとなっています。支払いに関してもアプリ内で済ませる事ができるので、スマートフォンやPCがあれば、全ての配送手続きを簡単に済ませる事ができます。

画像引用元:https://www.lalamove.com/global

また、配送先に関しては複数選択も可能であり、最大20箇所への商品配達を1台のチャーターで依頼する事かできます。

このような同サービスの利便性は、サービス利用者だけではなく、配達員にとっても有用なものであり、ストレスのない職務環境が配送業界の人員不足解消にも貢献します。

いつでも手配可能で迅速な配達を提供

画像引用元:https://www.lalamove.com/global

同社のサービス最大の強みは、24時間サービスを利用可能な点と、当日配達可能なスピード感にあります。同社サービスではアプリでの配送予約後、近くにいるドライバーと数分以内にマッチングし、都市部においては、平均55分以内に集荷から配達までを完了させることができます。

画像引用元:https://www.lalamove.com/global

そして、同サービスではUberのように、マップ上でドライバーを追跡可能となっている為、利用者へより透明化されたサービスを提供する事も可能としています。

このような、迅速で透明性のある配送を可能にすることによって、これまで、配送の面から不利な状況にあった、中小企業による顧客獲得が促進されます。また、消費者サイドにとっては、ネットでの購買がより身近で利便性の優れたものとなり、購買意欲の上昇にも繋がります。

選択可能な配送手段と優れたオプション

同サービスでは商品に合った配送車をバイク・普通車・バン・大型トラックの中から利用者が選択する事が可能となっています。このように、大小様々な配送車を選択できることによって、小さな荷物だけではなく、建築資材などの大きな荷物の配送にも同サービスを利用する事ができます。

画像引用元:https://www.lalamove.com/global

同サービスの基本的な利用料金体制は、配送車の種類毎の基本料金+距離料金+追加オプション料金となっています。追加オプションには、配達地点の追加、商品代行購入、アシスタントの追加、商品の運搬、現金による支払いなどの便利なオプションがあります。以下は、アメリカにおける同サービスの利用料金です。

画像引用元:https://www.lalamove.com/global

建設現場での資材調達に

画像引用元:https://www.lalamove.com/global

同社のオンデマンド配送サービスはeコマース、小売、家具、花など、多種多様な商品に対応することができるため、企業が顧客になることもしばしば。その上、ドライバーによっては3トントラックなどの大型車を手配することも可能で、建設現場への資材搬入でも重宝されているのだと言います。

また、同社のサービスを建設現場の配送システムに組み込むことで従来フリートマネージメントに要していた費用が減少。加えて配送業務に割かれていた職員の負担を軽減するなどのメリットもあり、建設会社から高い評価を受けています。

日本国内におけるオンデマンド配送

国内におけるオンデマンド配送サービスとしては「ハコベル」「トラボックス」「PickGo」などが代表的です。これらのサービスは、軽貨物に特化したものや、事業者向けに特化したもの、入札形式のものなどそれぞれに強みを持っており、近年その勢いを加速させています。まだLalaMoveほど広く浸透していないのが日本国内の現状ですが、今後このようなサービスが普及することで、個人のドライバーの活躍の場が増え、配送業界の人員不足解消が期待されます。

LALAMOVEの実用例

次は、実際にLalamoveのサービスを利用することによって、20%のコスト削減に成功したフィリピンを代表する書店ナショナルブックストアの事例をご紹介したいと思います。

画像引用元:https://www.lalamove.com/global

ナショナルブックストアは、LALAMOVEとの提携以前、従来の配送業者と提携をしていましたが、オンデマンド配送による、より費用対効果の高いサービスを求めLALAMOVEと提携をしました。

LALAMOVEとの提携は、従来の配送業者に比べ、低コストかつ迅速な車両の手配を可能にしました。それによって、近距離の市内配送や、店舗間の商品輸送などに割かれていた職員の負担が軽減され、経費削減やナショナルブックストアが自社で行う遠距離輸送の強化に繋がりました。

また、Lalamoveのサポートチームは、繁忙期などの一定の配車数が必要と見込まれる時期には、十分な配車数を事前に確保するなど、常に状況を分析し、安定した配送サービスの提供を実現しています。

まとめ

オンデマンド配送で注目を集める「Lalamove」いかがでしたでしょうか。こうしたサービスの普及によって、配送業界における人手不足の改善や、様々な業界での配送の効率化が期待されます。

日本でも盛り上がりをみせるこの業界が今後どのような進化を遂げ、普及していくか注目です。