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スマートセンサーで事故を予測!?作業環境の改善にもつながる︎PillarTechnologiesとは?

  • 建設現場のIot化は進みつつあるが、火災や水漏れなどから現場を守るためのIot技術はまだ少ない
  • PillarTechnologiesは独自のスマートセンサーによる環境管理サービスを提供
  • 高い技術力や取り組みが評価され数々の賞に輝いている

はじめに

画像引用元:https://unsplash.com/s/photos/construction

昨今は多くの建設現場でIoT活用が進められたことにより、大幅な作業の効率化や労働環境の改善が実現。世界の建設業界におけるIoT市場規模は2019年の8,179.9百万ドルから、2027年には19,039.8百万ドルに達し、2020年から2027年にかけて14.0%のCAGR(年平均成長率)で成長すると予想されています。

しかし、現在建設現場で応用されているIoT技術の多くは、作業の効率化を主な目的としてデザインされたものが大半であり、建設現場における火災や水漏れといった事故を防止する目的で作られているものは少ないという現状があります。ところが連邦緊急事態管理庁FEMAによると、アメリカ全土の建設現場では毎年推定4,800件の火災が発生。そして日本の建設現場における火災に関して言えば、東京消防庁によると都内だけでも年間80~130件(過去10年間)が発生しているとのこと。

これらの損害は建設プロジェクトに大きな損失をもたらすと同時に、作業員の安全を脅かすものでもあり、作業の効率化以上に改善していかなければならない問題であるとも言えます。

今回ご紹介するPillar Technologies(ピラーテクノロジー)は独自の建設現場向けスマートセンサーにより、建設現場における火災や水漏れを探知し、リアルタイムで共有するサービスを展開しています。同社のサービスが一体どのようなものなのか詳しくみていきましょう!

Pillar Technologiesとは?

画像引用元:https://pillar.tech/

Pillar Technologiesは、2015年アメリカ合衆国ニューヨーク州にて創業されたスタートアップ企業です。同社は独自のスマートセンサーによって、建設現場の温度や湿度などの環境条件を常に監視し、火災や水漏れなどの危険性がある場合は管理者にリアルタイムで知らせる現場管理サービスを展開しています。

Pillar Technologiesは高い技術力や取り組みが評価され数々の賞にも輝いており、2019年にはRIMS(米国リスク管理協会)が開催するRIMS INSURTECH COMPETITION2019(革新的で効率的なソリューションを提供するスタートアップ企業コンテスト)にて優勝。そして、2016年には世界的な経済雑誌であるForbus(フォーブス)が開催するGlobal Change the World forProfitで優勝を果たし、SoundVentures(サウンドべンチャーズ)、RoughDraft Ventures(ラフドラフトベンチャーズ)、Forbusの3社から計425,000ドル(約4600万円)の助成金を獲得しています。

また、同社は2017年9月にはシードラウンドにおいて、インシュアテックベンチャーキャピタル企業XL InnovateやTechstars Ventureといった企業から2,800,000ドル(約3億円)の資金調達に成功しています。

それでは、こうして注目を集めるPillar Technologiesが提供するサービスとは一体どのようなものなのか、早速見ていきましょう!

Pillar Technologiesの現場管理サービスの特徴とは?

1.高性能なスマートセンサー

画像引用元:https://pillar.tech/

Pillar Technologiesが展開する現場管理サービスは、独自のスマートセンサーによって成り立っています。同社のスマートセンサーの最大の特徴は、高性能なセンサー機能。スペース内の温度・湿度・一酸化炭素・揮発性有機化合物(ニスなどの過剰塗布により発生するもの)・埃・騒音・光・圧力を探知し、収集したデータをクラウド上にアップロードすることが出来ます。同社のサービスはこの高性能なセンサー機能を利用する事によって、水漏れ・凍結・火災・カビ・有害物質などが発生する前に管理者へリアルタイムで通知を送り注意を促す事を可能としています。

このような高精度な環境調査によって得られたデータは、建設プロジェクトの遅延や損失リスクの大幅な削減に繋がるだけではなく、建設後の建物の健全性を保つ上での非常に重要なデータともなります。また、同サービスの導入により現場の安全性が増し、保険料金の引き下げを実現することも可能に。

2.導入ハードルが低く、タフな構造

画像引用元:https://pillar.tech/

同社のセンサーの利用方法は非常に簡単で、約185㎡のスペースごとに 1つのセンサーを設置するのみとなっています。同センサーは片手で持てるコンパクトなサイズ感であると共に、取り付け用のストラップとマグネットがついているため、金属パイプや柱など様々な箇所に簡単に設置する事が可能です。また、一回の充電で約1年間の稼働が可能なため、設置後はバッテリー充電などの煩雑なメンテナンスを必要としません。

このような利便性により、同センサーは建設現場以外の環境測定が必要とされる場所での活用も期待されています。

3.直感的な管理を可能にするソフトウェア

画像引用元:https://pillar.tech/

スマートセンサーによって収集されたデータはクラウド上にて管理され、利用者は独自のソフトウェアを介して、直感的にデータの確認や管理をする事が可能です。同ソフトウェアの特徴的な機能には以下の2つが挙げられます。

リアルタイムアラート機能

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前述した通り、同サービスは建設現場の環境を24時間監視するサービスであり、探知した情報を元に火災や水漏れなどの危険性がある場合には登録された管理者に自動でメッセージを送る事が可能です。この機能により管理者は作業終了後であっても、ヒーターの消し忘れによる火災発生や、凍結によるパイプ破裂などの危険性を事前に通知として受け取る事ができ、建設現場における事故発生のリスクを格段に低下させます。

また、ソフトウェア内でアラーム起動を条件付きで設定することも可能です。例えば湿度や温度など、状況によって特に注意しておきたい項目を事前に設定。こうしたカスタムができることによって、建設現場での事故を未然に防ぐだけではなく、美術館のような特別な配慮が必要な場所における環境管理に役立てることもできます。

一目でわかる現場環境

画像引用元:https://pillar.tech/

同ソフトウェアでは、センサーが検知した建物全体の環境情報を一目で見る事が可能であるのはもちろん、画像のように各エリア毎の詳細な情報を確認することもできます。この機能により管理者は各エリア毎の異常を発見する事が出来るようになるだけではなく、それらが作業者にとって快適な環境下であるかという事を確認し、問題があればすぐに対応・避難することも可能になります。

また、同ソフトウェアでは収集したデータを元に環境調査レポートの作成を行う事が出来る為、作業の効率化にも大きく貢献します。

まとめ

今回は独自のスマートセンサーによる現場管理サービスで活躍する企業Pillar Technologiesをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?

今後は同社が展開するサービスによって、建設現場の環境管理が大きく進歩する事が期待されます。また、同社の革新的な取り組みにより建設業界におけるIoT化が多岐にわたるものとなる事でしょう。今後の同社の動向に注目です!