日本におけるConTech(建設テック)関連のニュース 2021年10-12月分をまとめております。
プロジェクションマッピングで建設現場を効率化(Link)
大成建設はプロジェクションマッピングを利用した建設現場での墨出し技術「T-iDigital MARKING」を開発。床面に原寸大で投影した高精度な図面情報を基に作業員が直接マーキングできるため、正確で効率的な墨出し作業を実現した。建築、土木分野の工事を対象に同技術を積極的に導入する。
全天球型カメラ「THETA」導入、死角のない遠隔監視実現へ(Link)
リコーは鹿島建設と共同で新潟県長岡市の大河津分水路新第二床固改築期工事において、360度カメラ「RICOH THETA」とライブストリーミングサービス「RICOH Live Streaming API」を新たに適用したと発表した。遠隔監視において、既存のWebカメラは画角が限定的になりがちだったが、RICOH THETAを用いることで、現場にいるかのように周囲の状況を確認が可能。今後、360度カメラの設置現場を増やして、本社からさまざまな現場の遠隔パトロールなどを実施できるようにする予定だ。
地中可視化サービスがAI精度を向上し、SaaSでの提供開始(Link)
日立製作所と応用地質は、地下構造物を可視化する「地中可視化サービス」をクラウド型で提供を開始する。レーダー探査で取得した画像から、AI解析技術で、埋設管・地中構造物・地層境界などの情報を判別。SaaS型プラットフォームとなったことで、必要なタイミングで参照したい範囲の埋設物情報を確認できる。
三菱地所「次世代カメラシステム」、丸の内エリア約20棟 最大4万台のカメラを一括管理(Link)
丸の内エリアで三菱地所が所有・運営する約20棟のビルを対象に、従来、個別ビルごとに実施していたカメラの制御・管理をエリア全域で一括(最大4万台接続可能)して行う。「就業者・来街者満足度の向上」「安心・安全の向上」「災害への対応強化」「次世代型施設運営の推進」のための分析に利用する。
日立ソリューションズ、「労働安全衛生管理サービス」の最新版を提供開始(Link)
日立ソリューションズは「労働安全衛生管理サービス」に建設現場での災害・ヒヤリハット発生をワークフローで迅速に報告を行える「災害報告」と、安全衛生管理部門の安全対策を支援する「災害発生分析」を新たに追加。既に提供している「災害事例検索」と、今回の「災害報告」と「災害発生分析」を組み合わせることで、従来の現場支援であるPlan(リスクアセスメント)、Do(危険予知訓練)に加え、Check・Action(不安全検知、現場把握・計画改善)のサイクルをトータルに支援できる。
ビル警備をロボットでDX (Link)
ロボット開発スタートアップのugoとビルメンテナンスの大成は、11月からロボットを活用した警備業務管理システムの提供を始めた。提供するのは高さが180センチメートルの2本のアームがついた自律走行ロボット。24時間稼働する予定だ。日中、充電ステーションに接続しながらビルのエントランスを監視する。夜はフロアを移動しながら巡回する。ユーゴーは月額20万円で初期導入費用は不要。警備員を1人採用するために約40万円が必要ため、低コストにこだわった。
四脚歩行ロボット「Spot(スポット)」の建築現場での可能性(Link)
竹中工務店は米ボストン・ダイナミクスが開発している四脚歩行ロボット「Spot(スポット)」の建築現場への導入を検討している。Spotの最大の特徴は、四脚で安定歩行できることである。これにより建設現場を動き回れる。そのため、Spotは「動くカメラ」だけでなく、「動くテレビ会議(テレプレゼンス)システム」や「動くプロジェクター」にもなれる。Spotの操作を専門のオペレーターに任せる体制をつくり、省人化を目指していく。
海上建築物で海水農業が実証実験予定(Link)
N-ARK(ナーク、浜松市)が海上に建造物をつくり、海水を用いた農業を営む事業を始める。海水面の上昇や塩害による被害が世界的に深刻化していることを受け、海水で作物を育てる技術も活用しながら海上建築で課題を解決できると見込む。2023年にも実証実験をはじめ、26年にも建造物を販売したい考え。
鹿島、建設工事の危険予知活動にAIを導入(Link)
鹿島は、保有する約5,000件の災害事例と、厚生労働省が運営する「職場のあんぜんサイト」に掲載されている約64,000件の災害事例をAIを用いて解析し、類似作業の災害事例を見える化するシステム「鹿島セーフナビ(K-SAFE)™」を開発構造化されていない労働災害の発生状況文から、作業表現、原因表現、災害表現を仕分けし整理することで、作業に対する災害を直感的に把握する機能を有している。
下水道の維持補修ロボットで、メンテナンス需要高まる(Link)
下水道の老朽化が全国的に課題となるなか、維持管理の重要さが増している。中に人が入ることができない管の補修工事では、維持補修用のロボットが欠かせない。建設機械部品が主力の北菱は30年以上前から同ロボットを手がける。地本体の重さは25キログラムで、1人で持つことができる。最大の売りは先端のヘッド部分が360度回転できる点。異物がどこにあっても取り除くことができる。空気圧と電気で動くため、環境負荷が少ない。価格は操作盤なども含めて、おおむね650万円だ。同社の販売台数は年10台程度だが、下水道の更生工事の需要は高まるとみている。
大林組、クレーンを最適運搬ルートで自動運転(Link)
大林組はクレーンが建設資材を運搬する際に、人工知能が最適なルートを計測して自動運転するシステムを開発した。現場のデジタルデータを活用し、操縦者は遠隔地からクレーンを操縦できる。建設現場でのDX化を進める。システムは、レーザー光線を照射して測定した現場の3次元(3D)データと、建築や土木の設計図を3D化したデータを組み合わせ、現場の地形を把握。資材を運搬する目的地をパソコンやタブレット端末から指定すると、障害物や作業員と接触しない最適な運搬ルートを提示する。