作って現場に運ぶだけ!?次世代プレハブ工法を持つClarkPacificとは

画像引用元:https://www.clarkpacific.com/
海外事例
  • 建設の効率化が課題となる中、プレハブ工法による建設のオフサイト化が注目
  • ClarkPacificは安全性やデザイン性に優れたプレハブ建設を実現
  • 独自の設計ツールにより大規模なプレハブ建設を効率化

はじめに

昨今、建設業界では「オフサイト建設」が大きな注目を集めています。オフサイト建設とは、建設資材の組み立て(プレハブ)を事前に工場で行う建設方法のことです。現地に資材を持ち込む一般的な工事に比べて、天候などによる工期の延長やそれに伴う予算超過リスクを減らすことができ、担保された環境は限られたリソースを最大限に活用することにも期待されています。

このようなオフサイト建設の普及に伴い需要が高まっているのが、プレキャストコンクリートを用いたプレハブ建設であり、プレキャストコンクリート市場の大きな成長が見込まれています。​株式会社グローバルインフォメーションの市場調査レポートによると、​世界のプレキャストコンクリート市場規模は、2020年の1306億米ドル(約14兆円)からCAGR(年平均成長率)5.9%で成長し、2025年には1741億米ドル(18兆円)に達すると予測されています。

今回はプレキャストコンクリートを用いたプレハブ建設によって、建設の効率化を目指す企業ClarkPacific(クラークパシフィック)についてご紹介します。

Clark Pacificとは?

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ClarkPacificは、1963年にアメリカ合衆国カリフォルニア州にて設立された会社です。同社は、独自の技術を取り入れたプレハブ工法によって、安全性やデザイン性に優れた費用対効果の高いプレハブ建設を展開しています。これまでに、商業施設や住宅・駐車場・スタジアムなどの2,500件以上のプロジェクトを手掛けています。

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同社が手掛けてきたプロジェクトのいくつかは、その高いデザイン性や安全性、優れた取り組みによりPCIデザイン賞などの多くの賞を受賞しています。代表的なプロジェクトには、2016年建設のアップル本社ビルの建設などが挙げられます。

それでは、プレハブ建設によるオフサイト化で注目を浴びている同社が、どのようなサービスを展開しているのか早速見ていきましょう!

プレハブ工法の利点

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建設プロジェクトにプレハブ工法を取り入れることによって、一般的な建設工法における問題を改善することができます。主なメリットに以下の3つが挙げられます。

作業の効率化

建物を建設するにあたって、まず建設物の土台となる基礎工事を行い、その上に建設資材を組み立てていく流れが一般的です。しかし同社のプレハブ建設では、現場で基礎工事、工場で建設資材の組み立てと、2つの工程を同時に進行することが可能に。そのため、、一般的な方法よりも30%〜50%速くプロジェクトを遂行できます。また、資材の組み立てを工場で行うことで、天候やその他の外部要因によるスケジュールの遅延リスクを大幅にカット。。McGraw Hillの調査によると、プレハブ建設の採用によって請負業者の72%がプロジェクトの1週間以上の短縮、37%が4週間以上短縮されたというデータも出ています。

コストの削減

前述した作業の効率化によるコスト削減に加え、従来の建設様式に比べ作業員の数を抑えることができるので、人件費も削減することができます。また、プレハブ化により原材料の大量購入が可能になるので、材料費の面においてもコストの削減を行えます。

品質の向上

プレハブ工法では資材を工場で組み立てる為、現場での職人による資材組み立てに比べ、ムラなく高品質な組み立てが可能となります。また、工場での作業は材料を無駄なく利用することができるので、環境への配慮と材料費の節約を実現することができます。

Clark Pacificのプレハブ建設の3つの強み

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1.高い居住性と安全性

プレハブ建設といえば、画一的なデザインと耐久性を不安視する声も少なくありませんでした。しかし、Clark Pacificのプレハブ建設はプレキャストコンクリートを使用する事によって、安全性や快適性の面で費用対効果の高いプレハブ建設を実現しています。同社のプレキャストコンクリートは、一般的なコンクリート建設の強みである耐火性や防音性、メンテナンス性の高さに加えて、プレキャスト内に放射システムや断熱材を組み込む事により、優れた熱効率を実現しています。優れた熱効率の実現によって、建物内の快適性が向上する事は勿論のことながら、冷暖房効率をあげる事が出来るのでエネルギーの節約にもなります。

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安全性の大きな指標の一つにもなる耐震性においては、プレキャストハイブリットモーメントフレーム(PHMF)システムという最新技術を取り入れることによって、従来のコンクリート建設に比べて優れた耐震性を実現しています。PHMFシステムとは、ポストテンションの自己修復メカニズムにより、建設物の損傷や傾きを最小限に抑える技術です。同社はこれらの技術応用によって、顧客の持つプレハブ建設に対する耐久性への不安要素を取り払うことに成功しました。

2.自由自在なデザイン

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一般的なプレハブ建設は部材が規格化されていることから、ファサードデザインが似たり寄ったりになってしまうなど、外装の不自由さが課題となっていました。ところが同社は、InfiniteFacade™(インフィニットファサード)と呼ばれるファサードシステムによって、多種多様なデザインの実現を可能としています。

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InfiniteFacade™で使用されるファサードパネルには、ガラス繊維補強コンクリート(GFRC)が使用されており、多種多様な形状やデザインに加工する事ができます。また同素材は軽量でありながら耐久性に優れているため、現場での取り扱いの負担も軽減されます。また、デザイン的な利便性に加え、材質や色の選択も複数のパターンから選択する事ができるので、色を隣接の建物に合わせたり、外観をレンガ調にするなどプレハブ建設でありながらユニークなデザインの実現が可能となります。

また同社のファサードパネルは、工場での組み立ての際に断熱材や窓をあらかじめ取り付ける事ができるので、現場での作業負担や事故リスクを軽減し、作業を効率化することができます。

3.大規模設計を可能にする独自の設計ツール

 

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ClarkPacificは、業種の特徴を反映して、効率的に設計から建設を行うため設計ツールを保有している。特に主力は、学生寮向け建設ツール「CP Campus Housing」と立体駐車場向け建設ツール「PARKConfigurator」です。

CP Campus Housingは学生寮の建設を目的としてデザインされた建設コンポネートセット、および、学生寮の概略設計を提供する迅速な設計ツールであるCollaborative Design Interfaceを組み合わせたものとなっています。一般的にプレハブ建設は、大規模な建物の建設においては導入の敷居が高いものとなっていました。ですが、設計段階で最適な部材を提案してくれる同ツールを利用することによって、そのハードルを大きく下げることが可能に。同ツールの登場によって、効率的で費用対効果の高い大規模建設を容易なものへと変わってきたといえます。

次にPARC Configuratorですが、こちらは立体駐車場向けの設計ツールです。先ほどの学生寮と同じく、大量の自動車を格納するだけの耐久性が求められる立体駐車場をプレハブで実現させるのは、非常に難しいとされていました。ですが同設計ツールはプロジェクトの要件を元に、様々なデザインや構造スキーム、コンセプトを迅速にテスト・比較し、同社のプレハブ工法に沿った最も効率的な立体駐車場設計を行う事ができます。

同社の展開するこれらの技術の活用によって、従来の立体駐車場建設に比べ5%~10%のコスト削減を実現する事ができ、プレハブ建設の持つ可能性を飛躍的に広げる結果に。また、迅速な設計を可能にすることによって、これもまた大幅な工期短縮に貢献します。

まとめ

今回はプレハブ建設で活躍する企業ClarkPacificを紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?今後は今回ご紹介したような、プレハブ建設様式がより多くの建設プロジェクトに活用される事で、建設の効率化が図られる事が期待されます。

今回ご紹介したClarkpacific以外にも以前当メディアでご紹介した、ManufactOn(マニュファクトン)などの多くの企業がプレハブ工法による建設のオフサイト化に乗り出しており、今後の展開が注目されます。