完全オンラインの不動産売買を実現!注目のスタートアップhutsyとは?

画像引用元:https://www.hutsy.co/
海外事例
  • 伝統的なアメリカの不動産取引は住宅購入者にとって複雑なもの
  • hustyは不動産業者向け業務自動化サービスのFlareAgentを前身とする企業
  • 物件探しから契約に至るまでをオンライン上で一貫して行う事ができる独自のプラットフォームを展開

はじめに

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一般的なアメリカの住宅不動産取引(住宅の購入方法)は、1908年に全米不動産協会によって確立された住宅購入方法に沿って行われています。後でご紹介しますが、この伝統的な不動産取引の仕組みは購入者にとって複雑なものであり、住宅購入を検討する際の大きなハードルとなっていました。

そのような現状を踏まえ、昨今ではテクノロジーを応用する事によって不動産取引を効率化しようとするサービスが増えています。ですが、それらのサービスは多くのプロセスを含む不動産取引の一部分を効率化するものがほとんどで、取引全体をサポートし、効率化するサービスはありませんでした。

今回は​​独自のプラットフォームと豊富な不動産専門知識を組み合わせる事によって、不動産取引を一貫してオンライン上で行えるサービスを展開しているhutsy(ハッシー)についてご紹介いたします。

hutsyとは?

画像引用元:https://www.hutsy.co/(左Abhiroop CVK氏右Rashid Aziz氏)

hutsyは2019年にアメリカニューヨーク州にて創業されたスタートアップです。同社は独自のプラットフォームを活用して、物件探しから購入手続きに到るまで、不動産取引における全てのプロセスをオンラインベースで行えるサービスをアメリカ国内において展開しています。

同社のCEOであるRashid Aziz(ラシッドアジズ)氏とAbhiroop CVK(アビループ)氏は大学時代からの友人関係にあり、2人はFlareAgent(フレアエージェント)を創業しました。FlareAgentはhutsyの前身となる会社で、不動産仲介業者やエージェント向けの業務自動化サービスを展開していました。同社での経験から、不動産業者向けの業務効率化サービスはもちろんの事ながら、住宅購入者向けの不動産取引サポートサービスの必要性を感じ、hutsyの創立に至りました。

hutsyは2019年にはスタートアップアクセラレーターY Combinator(Yコンビネーター)から15万ドル(約1648万円)の資金調達に成功しています。

それでは、こうして注目を集めるhutsyが提供する不動産取引サポートサービスとは一体どのようなものなのか、早速見ていきましょう。

アメリカにおける不動産取引事情

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日本では物件を購入しようと考えた場合、まずは不動産会社に依頼をすることが多いのではないでしょうか。しかし、アメリカではブローカー(不動産会社・宅建業者)と、そのブローカーと契約する独立したエージェントが分かれており、不動産の購入を検討している場合は個人の資格を持ったエージェントに依頼をする事がほとんど。言うなれば、不動産会社と営業が分離しているようなイメージです。

バイヤー側の不動産エージェントはSelling Agentと呼ばれ、不動産取引における相談や売り手側との交渉などを行い、全ての手続きやプロセスが適切に計画通りに進むよう進行管理していきます。

さらに、アメリカの不動産流通は分業が徹底しており、査定専門の「アプレイザー」、登記専門の「エスクロー」、住宅診断専門の「インスペクター」、融資専門の「住宅ローンオフィサー」などの独立した専門業者が不動産取引に関わります。このような機関とのやり取りの仲介となるのも、エージェントの役割です。

このようにアメリカの不動産取引は独立した機関が複雑に絡み合う仕組みとなっているため、購入者にとっては煩雑かつ難解なものとなっており、信頼できるエージェントとの契約は非常に重要となります。

hutsyが展開するオールインワンプラットフォーム

hutsyが展開するサービスの最大の特徴は、物件探しから契約に至るまでをオンライン上で一貫して行う事ができる独自のプラットフォームサービスにあります。今回は不動産契約の流れに沿って、同サービスの特徴をご紹介したいと思います。

1.不動産検索&内見予約

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hutsyが展開するサービスでは、顧客がエリア毎に同社と契約しているローカルエージェントとペアになり不動産取引を進めていきますが、不動産の検索や内見予約はプラットフォーム内でエージェントを通さずに利用者自身が行う事が可能。これらの検索や内見予約は煩雑な手続きなどを必要とせず、ワンクリックで行う事ができるので、利用者にとって非常にストレスフリーな仕組みとなっています。そして、このようなシステムは利用者だけではなくエージェントの負担を減らす事にも繋がるので、エージェントはサービスの向上に努める事が出来ます。

2.オファー

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一通りの内見などが終わった後には、資金調達や不動産情報の整理などが行われますが、同サービスでは、専属エージェントとオンライン又は対面で相談や情報整理を行う事が可能。不動産情報の整理という面では、エージェントが進捗管理や不動産に関するアドバイスを与えてくれると共に、プラットフォーム内のダッシュボードで、簡潔にまとめられたそれらの情報の管理及び確認が出来ます。また、エージェントやその他の関係者とのやり取りに便利なチャット機能も備えているため、コミュニケーションもスムーズに行えます。

そして、アメリカの不動産取引では気に入った物件を見つけた際に、取引を打診するために希望金額や個人情報を元に作成したオファーの提出が必要ですが、それらもワンクリックでプラットフォームから自動作成&提出する事が可能です。

3.契約&クロージング

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契約やクロージングの段階になると多くの審査や手続きが必要となりますが、ここまでの行程と同様にエージェントのサポートの元、それらをプラットフォーム上で行う事が出来ます。特筆すべき点としては、契約に際して必要な書類などへのサインや支払いなどに関してもオンライン上で済ませる事ができるという点。

まとめ

今回はオンライン不動産サービスを展開するhutsyをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?同社のサービスは、伝統的なアメリカの不動産取引を大幅に効率化するだけではなく、不動産取引の仕組み自体を変える起爆剤となるのかもしれません。今後はオンラインベースの不動産サービスが広く普及していく事が予想されるので、同社の動向には注目です。