対コロナでも活躍!「Xtreme Cubes」の掲げるモジュール式建設とは

画像引用元:https://www.heavyquipmag.com/2020/07/31/the-first-mobile-walk-through-structure-to-combat-the-spread-of-covid-19-is-produced-by-xtreme-cubes/
海外事例
  • 建設現場では、天候による工期の遅れや予算の大幅な超過などが問題視されてきた
  • xtreme cubesのモジュラー式建設は、95%を工場内で終え、従来より工期を4~6ヶ月短縮
  • 新型コロナウイルスの対応にも一役買い、あらゆる業界で使用できる汎用性の高さが期待されている

はじめに

これまで、建設業界には数多くの問題が存在していました。その中でも代表的なものが、予算を大幅に超過してしまうケースや、予定よりも工期が長くなってしまうといったものです。こうした問題の主な理由としては、天候の関係で作業日が減ること、安定した人員・資材の確保が難しくなることなどが挙げられ、企業・クライアントの両方を苦しめていました。
今回ご紹介する「xtreme cubes(エクストリームキューブス)」は、独自のモジュール式建設によってこれらの問題の解決を図り、数多くの実績を上げてきました。早速、その技術を見ていきましょう。

モジュラー式建設を推進するxtreme cubesとは?

Xtreme cubes(エクストリームキューブス)はアメリカ ネバダ州のヘンダーソンに拠点を置く建設会社です。同社は建設や農業で使用される専門車両 テレハンドラーのメーカーとして知られるXtreme  Manufacturing(エクストリームマニュファクチャリング)を親会社に持ち、2018年に独立。Xtreme Cubes Corporationの名前で、革新的なモジュラー機構を用いた建設でその名を業界に知らせてきました。
そんな同社は集合住宅、オフィス、小売、ホスピタリティ、軍事、産業、農業など、幅広い用途向けのカスタムモジュラーを設計および製造しています。彼らが作る建物の95%は工場内で作られるため、天候にも左右されず、同社のプロフェッショナルチームが24時間体制で製作に当たることが可能に。これによって、従来の建設よりも4〜6ヶ月早く工期を終えることもあり、人件費を削減し、低コスト化を実現しました。それでは、実際にどのような分野で同社の技術が活用されているのか、見ていきましょう。

わずか14週!4階建てアパートが組むだけで完成

 

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まずは同社のモジュール機構を用いて市街地に作られた4階建のアパートをご紹介します。この建物は5,000平方フィート(約500㎡)の区画を舞台に設計が進み、スチール製のモジュールを40個組み合わせ、なんと着工からわずか14週間で完成した集合住宅です。従来、市街地での建設は騒音問題や材料の過不足などで問題が起きることが多々あり、無駄になった資材を廃棄することも少なくありませんでした。

ですが、同社のモジュール式建設では既成のコンテナを運び込み、現地ではそれを組み上げるだけなので無駄な資材が一切発生しません。また、それに伴う騒音も最低限に抑えられているため、近隣とのトラブルを招く危険も少なく、まさに市街地建設の強い味方だと言えるでしょう。
また、気になる住居としてのクオリティですが、水回りやリビングなど、部屋によって内装の仕上げや床材も高品質の物を用意。加えて断熱性能にも優れ、快適な住環境を手軽に提供することを実現しています。

個性派な遊園地『コンテナパーク』の建設

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次にご紹介するのは一風変わったこちらの遊園地。2013年にネバダ州ラスベガスに突如として現れたこちらの施設の名は『コンテナパーク』。その名の通り、一つ一つのテナントが同社の設計したコンテナの中に店を構えているのです。
遊園地という性質上、テナントの業種はレストラン、ブティック、小売店など様々。それら全てに内装と環境を揃えてコンテナを制作したというのですから、同社のモジュール式建設がどれだけ高い汎用性を持つのかが伺えます。また、170㎡に建てられた同施設は他の事例と同じく非常に短い工期で完成している点も、同社の功績として評価されるべき点だと言えます。
ちなみにコンテナと華やかな遊園地では相性が悪いように思えますが、工業的で無骨なデザインが話題を呼び、年間100万人が訪れる人気ぶりなのだとか。

耐久性が評価!?拡張可能な校舎として活用

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同社の迅速かつ高品質な設計は、学校の校舎の建設にも利用されています。学校は他の施設と比べて、必要な部屋や建築基準など、州ごとに定められた厳密な基準があります。ですがこれに対して、同社の建設物はすべての州の要件をクリア。それどころか、多目的スペースの実装や高品質なトイレなど、カルフォルニアのハイレベルな学校と遜色ない建物に仕上がっています。

しかも、独自のスチールフレームを採用した同社の建物の耐用年数は100年とも言われており、従来の木や石材で造られた建物以上に恒久的な物を作っていけると期待されています。
また、モジュール式であるため校舎の拡張・再配置も容易に行うことができ、時代と共に変わる学校運営に対するメリットとして感じている方が多いようです。

コロナ対策に有効!『Opti-Clean Cubes』が登場

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このようにモジュール式の建設で数多くの実績を挙げてきた同社が、2020年の新型コロナウイルス感染拡大を受けて打ち出したのがこの『Xtreme Opti-Clean Cube(エクストリーム オプティ クリーン キューブ)』。これはモバイルウォークスルー構造の除菌装置となっており、人間がこの中を通過することで皮膚や衣服に付着したウイルスを除去することが可能となっています。
その上、人体への影響もない除菌剤をドライミストにして噴射するため、特殊な防護服などの着用も不要。大人数を効率的に、靴の底まで消毒することができます。こうした特性から多くの企業がこぞって同製品を採用し始め、建設現場やショッピングモールなど、合わせて165の製品がアメリカで実用化されているといいます。

また、これまでの事例と同じく同製品もモジュール式で製造されるため、同社の工場で作られたコンテナを運び込むだけで実装が完了します。これにより、衛生管理がずさんになりがちな現場にも一気に供給することができ、感染拡大の防止に一役買うことは間違いありません。

まとめ

画像引用元:Xtreme Cubes公式HP

同社のCEOであるBrandon Main(ブランドン メイン)氏は、親会社であるXtremeManufacturingから独立した際に次のように述べています。「この機会に本当に興奮しています。私と私の会社は、次の挑戦に挑戦する準備ができており、これからどう世の中を変えていけるのか、大いに楽しみにしています」。
この言葉通り、同社のモジュラーキューブは高い汎用性を持ち、実際にコロナウイルスへの迅速な対応も見せてくれました。業種や目的を問わず、このような高品質な建設ができるようになったことで、我々の未来にも新たな可能性が見えてくるのではないでしょうか。これからも、同社の動向に注目していきましょう。