電子メールから情報を自動取得し一元化する!建設入札管理プラットフォームのBasis Board

画像引用元:Basis Construction Inc. 公式ホームページ
海外事例
  • 建設プロジェクトでは、複数の事業者から最も良い条件を提示した事業者を選定するために入札が行われる場合がある
  • 入札の過程では入札案内、情報提供依頼書(RFI)や補遺(Addendas)などの文書のやりとりがなされ、文書管理が煩雑になる
  • Basis Construction Inc.は、データの一元管理を通じて建設プロジェクトの入札管理業務を効率化するBasisBoardを提供している

はじめに

画像引用元:Basis Construction Inc. 公式ホームページ

建設プロジェクトにおいて建設工事や建設資材を最適な条件で調達するために、入札という方法で事業者を選定する場合があります。建設工事の受託や建設資材の販売を行う事業者は、より多くの業務を受注するために数多くの入札に参加する必要がありますが、参加する入札が多いほど入札業務が煩雑となります。

入札に関する情報は電子メールを通じてやりとりされますが、事業者はそれらの情報を管理するためにデータを手入力でスプレッドシート等に転記しています。こうした煩雑な業務に時間を取られてしまうことが事業者の課題でした。

今回ご紹介するBasis Construction Inc.(ベーシス コンストラクション、以下Basis)は、電子メールからデータを自動取得して一元管理することを通じて建設プロジェクトの入札管理業務を効率化するサービス、BasisBoard(ベーシスボード)を提供しています。一体どのような企業なのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

入札管理業務を効率化するBasisとは?

画像引用元:Basis Construction Inc.公式ホームページ

Basisは、2017年にアメリカ合衆国カリフォルニア州にて創業された企業です。2019年8月には、創業初期のベンチャー企業を支援するY Combinator(ワイ コンビネーター)や個人投資家を筆頭株主に15万ドル(約1650万円)を調達しています。

Basisは建設工事や建設資材の発注元である総合建設事業者や、サービスや製品を販売する事業者(ベンダー)を顧客として、入札の情報を一元的に管理するソフトウェア、BasisBoardを提供しています。この製品は、電子メールの受信箱と同期し入札に関する情報を自動で取得することで、情報をスプレッドシート等に手作業で転記する手間を無くし、顧客の入札管理業務の煩雑さを解消します。

入札情報を手入力で管理する場合、単に時間がかかるだけでなく、更新情報を見落としたり適切な入札戦略を打てず業務を受注できないといった問題が発生することが考えられます。そこでBasisは、入札に関する情報をメールボックスから自動で抜き出して整理するソフトウェアBasisBoardを開発しました。

BasisBoardを使用している顧客は、入札管理業務にかける時間を一人当たり週3時間削減することができるようになり、また入札数を増やしてより多くの業務を受注することができたといいます。

BasisBoardで入札情報を一元化する

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BasisBoardは、乱雑なメールボックスから情報を引き出し、入札情報を見やすいダッシュボードに自動的に整理します。プロジェクトの名称、場所、発注元名、締め切りなどが自動的にメールから引き出されて整理されます。

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これらの基本情報の他にも、情報提供依頼書(RFI)や補遺(Addendas)といった文書の所在や、必要な文書作成の期日に関する情報を自動で抜き出し、カレンダーに整理することもできます。このように、これまで手作業で行っていた情報取得を自動的に行うことで入札情報を簡単に一元化し、入札業務を効率化しているのです。

BasisBoardの活用事例

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Negwer Door Systems(ネグワー ドア システムズ、以下Negwer)は、アメリカ合衆国ミズーリ州とイリノイ州を中心に商業用ドアの供給と販売を行う建設事業者です。顧客の要望に応じてドアの素材や形状のカスタマイズや、州外の建設プロジェクトの受注にも対応しています。

Basisの導入以前、Negwerの見積もりチームは4つの地域オフィスにまたがって入札を調整しており、新規入札の案内から補遺、RFIまで、1日に100通以上のメールを受け取っていました。多くの業者と同様に、Negwerはすべてのオフィスとすべての見積もり担当者で共有しているスプレッドシートを使用しており、この入札記録の各行には、1つの入札を追跡し、期日、メールを受信した時間、発注元、見積もり担当者などの必要情報を記載していました。しかし、約20人の見積もりチームが複数のオフィスから同時に入札記録の手入力を行なっていたため、誤入力などのミスが多発していました。

そこでNegwerはBasisBoardを導入しました。その結果、入札に関連するすべてのメールが自動的に入札管理用のスプレッドシートにまとめられるため、手入力で入札案件を整理する手間が省略され、ミスが生じなくなりました。入札文書の入力に無駄な時間を費やすこともありません。

特にNegwerは複数のオフィスで入札情報を共有し調整することに苦労していましたが、オフィス全体のスプレッドシートでどの見積担当者がどの仕事を担当しているかを手入力なしで確認できるようになったことで、異なるオフィスでのミスコミュニケーションや重複作業を減らすことができるようになったのです。

まとめ

いかがでしたか?今回は、入札情報をメールボックスから自動で抜き出し、各入札プロジェクトの進捗の管理や更新の管理を容易にするソフトウェアBasisBoardと、同ソフトウェアを開発運営するBasisについてご紹介いたしました。
同社は今後どのように展開して行くのでしょうか、今後の動向が注目されます。