賃料のカード支払いでポイントが貯まる!注目のスタートアップBilt Rewardsとは?

画像引用元:https://www.biltrewards.com/
海外事例
  • クレジットカードでの賃料の支払いは手数料がかかるだけではなく、ポイントも付与されない。
  • BiltRewardsはアメリカのニューヨーク州にて創業され、史上初となる賃料支払いに伴うポイントプログラムを展開。
  • クレジットカードでの手数料のかからない支払いやポイント付与を実現。

はじめに

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アメリカにおける最新の国勢調査及び米国労働省統計局のデータによると、2020年度の平均年収は51,168ドル(約567万円)、賃貸物件に暮らす人々が支払っている月々の平均賃料は1,097ドル(約12万5千円)とのこと。

そして、1億900万人以上のアメリカ人が生涯で平均20万ドル(約2280万円)以上の賃料を支払い、その中のミレニアル世代とZ世代に関しては、12年間で平均20万ドル(約2,280万円)以上を賃料に費やしていると推定されています。

このデータからもわかるように、月々の賃料は数ある出費の中でも高額な支払いである事がわかります。ですが、従来の賃料の支払いでは、クレジットカードでの支払いが行えない場合や、カードでの支払いを行うために、平均で3%ほどの手数料が発生する外部サービスを利用しなければならない場合がほとんどでした。

また、賃料の支払いは高額な支払いであるにも関わらず、ポイントプログラムなどが存在しない事も利用者にとっては不満の1つとなっていました。

今回ご紹介するBiltRewards(ビルトリワーズ)は賃料の支払いをクレジットカードで行うことを可能にし、支払いに対してポイントが付与されるプログラムを提供するサービスを展開しています。それでは、同社のサービスが一体どのようなものなのか詳しくみていきましょう!

*参考 https://www.census.gov/

            https://www.bls.gov/

家賃支払のポイントプログラムBiltRewardsとは?

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BiltRewardsは2019年にアメリカのニューヨーク州にて、Ankur Jain(アンカー・ジェイン)氏が率いるスタートアップスタジオKairos(カイロス)によって設立されました。同社はMastercard (マスターカード)と提携して手数料のかからないクレジットカードでの賃料の支払いを可能にした上、その際にポイントを獲得できるサービスをアメリカ国内にて展開しています。

同社は不動産オーナーとのパートナーシップやBilt Mastercardによる賃貸料以外の支払いに対するインターチェンジ、および住宅ローン事業を通じて収益を上げています

創業者のAnkur Jain氏は、1億900万人以上のアメリカ人が生涯で平均20万ドル(約2280万円)以上の賃料を支払うにも関わらず、そこから何も付加的なメリットを得られていない事に疑問を持ち同社を設立。その考えは共感を呼び、2021年9月にWells Fargo&Company(ウェルズファーゴ)やMastercard、国内最大級の不動産所有者グループなどが主導するシードラウンドにおいて6,000万ドル(約68億3,900万円)の資金調達に成功。そして、同社はこれまでに計3ラウンドの資金調達を行っており、総額6,330万ドル(約約72億1,500万)の資金調達に成功しています。

それでは、こうして注目を集めるBiltRewardsが提供するサービスとは一体どのようなものなのか、詳しく見ていきましょう。

BiltRewardsが展開するサービスとは?

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BiltRewardsが展開するサービスは、賃料の支払いでポイントを獲得できるポイントプログラムと、賃料の支払いが可能なクレジットカードBiltMasterardの2つのコンテツによって構成されています。

賃料の支払いでポイントがもらえるBiltRewardsプログラム

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それでは、まずポイントシステムについて見ていきます。Bilt Rewards Allianceと呼ばれる、同社と提携している賃貸物件(アメリカ国内で200万戸以上)で賃料の支払いや契約更新・新規契約などを行うとアプリ内でビルドポイントを獲得する事ができます。ポイントは年間で最大50,000ビルトポイントの獲得が可能。

ビルドポイントとはどのようにして使うことができるのか。主な利用方法は以下の通りです。

・フィットネス

提携しているフィットネス施設にて、フィットネスサービスを受ける際に支払いとして利用が可能。還元率は1ポイントあたり約1セント(約1円)。

・Biltcollection

Biltcollectionと呼ばれる装飾品やアート作品をBIltRewardsのアプリ内でポイントと交換が可能。

・旅行

アメリカン航空を筆頭とする9つの航空会社や、インターコンチネンタルホテルズグループなどのいくつかのホテルグループと提携をしており、それらの提携会社サービスのポイントと1:1で変換が可能。

・翌月の賃料の支払い

同社と提携する物件にて、翌月以降の賃料の支払いとして利用が可能。

賃料に使用されるポイントの価値は建物や管理会社によって異なる。

・住宅ローンの頭金

ビルトポイントの使用方法として最も特徴的なのが、住宅ローンの頭金としての利用。同社は、アメリカで初めてポイントを利用した住宅ローンの支払いが認可された企業であり、1ポイントあたり最大1.5セント(約1.5円)として住宅ローンの支払いに利用する事ができます。

賃料の支払いが可能なBiltMastercard

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BiltRewardsはMastercardと連携し、BiltMastercardという年会費無料のクレジットカードも展開。カード契約者は同社が連携している物件に対する賃料の支払いに加えて、同社と連携関係にない賃貸物件であっても賃料の支払いをBiltMastercardで行う事ができます。提携関係にない物件の賃料はBiltRewardsから家主に送金がされるとのこと。

多くの賃貸物件では賃料の支払いをクレジットカードで行う事ができない、又はカードでの支払いに手数料が平均で3%ほどかかる事がありましたが、同カードで賃料の支払いを行う際には手数料が発生しません。

また、同カードで提携物件の賃料の支払いを行うことで、より充実したポイントプログラムを享受する事ができます。Blit Mastercardの利用者は、家賃支払いで1ドル(約110円)=1ポイント・提携旅行会社での支払いで1ドル=2ポイント、食事の支払いで1ドル=3ポイントを獲得する事が可能で、賃料支払いは勿論の事ながら、より多くの場面でお得にポイントを貯める事ができます。

まとめ

今回は賃料の支払いでポイントを獲得できるサービスを展開するBiltrewardsをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?同社のサービスは、あるようでなかった画期的なサービスであると同時に、今後は利用者にとって必然的なサービスになっていくことが予想されます。また、同社は将来的に住宅ローン市場に本格参入していくことを目指しているようなので、今後の動向には注目です。