ConTech(建設テック)関連ニュース [2023年10-12月]

ニュース

日本におけるConTech(建設テック)関連のニュース 2023年10-12月分をまとめております。

2023年12月

竹中工務店、構造設計AIを全面導入(Link
竹中工務店は2017年から開発を進めてきた「構造設計AIシステム」を全面導入したと発表した。AI建物リサーチは、ユーザーが建物の面積や階数、階高、スパン、基準階平均重量など、わずか10項目の属性値を入力するだけ。過去に自社で設計した案件を厳選してつくった約400件のデータベースから、AI(人工知能)が瞬時に類似案件を提示し、比較表まで作成する。半日から1日程度をかけて実施していた作業を、15分へ短縮する。

ChatGPTとBIMの連結で、AI×建設設計(Link
「Archi Future 2023」(会期:2023年10月26日、東京・有明TFTホール)で「AIと建築設計~新時代の幕開け―底上げされる能力、拡大する創造性、変貌する設計者―」と題し、建築設計でのAI活用の現状と、対話型の生成系AIを設計に採り入れる新たな試みを紹介した。

2023年11月

日立、天井開いていても遮音できるテレワークブースを開発(Link
日立製作所は自社の遮音技術とピクシーダストテクノロジーズ(東京都中央区)の吸音材を組み合わせたデスク型のテレワークブースを開発した。天井部が開いていても十分な遮音性を確保した。ガラスの代わりに透明な樹脂の板を採用し、そこにピクシーダストの音響メタマテリアル吸音材「iwasemi(イワセミ)」を設置した。同吸音材のうち、人の話し声に多い500―1000ヘルツの音に特化して設計したものを使っており、ブース内の声が外に漏れたり、外の声が中に入ったりしにくい。天井を開口してもブース内外の音が減衰する独自の遮音構造の設計技術を採用した。これにより天井が密閉されないため、消防法の規制の対象とならず、設置場所を変更しやすい。

設備の異常を”音”で検知、位置も画像化。中国のAI音響検査装置(Link
中国スタートアップ 聯豊迅声(Lianfeng Xunsheng)は、「ロボット聴覚」を中心に、ポータブル音響検査機器などの製品を展開し、電力、工業、炭鉱、警備など20種類以上の活用シーンで顧客100社以上に提供している。例えば、電力システムの配電網や圧縮気体の漏出などの場面で検出した異常音を画像化することができる。配電盤、変圧器、断路器などの設備・部品の異常と故障を含む配電システムの各種問題の検査に活用して、早期に欠陥を見つけられる。

2023年10月

3Dプリンター住宅の普及の壁(Link
建設3Dプリンターは、ノズルを水平移動させながら特殊なモルタルを連続して吐出し、数センチメートルの厚さの層を幾重にも積み重ねて構造物を造形する新技術だ。鉄筋コンクリート(RC)造建築物に比べて、工期短縮や省人化、省資源化などが期待できる。しかし日本では壁が高い。建築基準法が、壁や柱といった「構造耐力上主要な部分」(建物に作用する荷重を負担する部分)にモルタルを使うことを想定していないからだ。このため、建築確認手続きをクリアするのが容易ではない。現法の中で、様々な取り組みを行うが根本的には法令改定が望まれる。

道路DX「スマートロード」の開発が進む。雨の交差点で人や車を事前検知を。(Link
鹿島建設、トヨタ自動車などは将来の新たなモビリティサービスの提供や自動運転社会の到来を見据え、センシング機能を有する道路「スマートロード」の開発に着手したと発表した。既に、東京都調布市にある技術研究所敷地内に、光ファイバーセンサーを埋め込んだ試験舗装フィールドを構築し、道路上の歩行者や自転車などの移動体の位置を検知したデータで、自動追跡可能なことを確認した。カメラやLiDARなどの活用が進められているが、雨や霧などの天候による影響、プライバシーの保護、物陰に隠れた移動体への対応などの課題がある。

囲いなしでその場所だけ“防音化” 特定の人物の声だけを“消す・聞く”ができる小型音響ロボット(Link
米ワシントン大学と米Microsoftに所属する研究者らが部屋内で話す人々の位置を特定し、その音声を分離するための小型の移動式音響ロボット群を提案した研究報告を行った。
音響ロボットは、テーブル上で分散配置され、その場で話している人々の位置と音声を分離する機能を持ち、話者の存在を分析し位置特定と音声分離を行う。リアルタイム解析をおこなうため、話者が位置を変えても追跡可能で、混雑したカフェや人が多いパーティーで複数の会話が重なっている場合、特定の人物とだけ明瞭に対話するといったことができる。