ConTech(建設テック)関連ニュース [2023年7-9月]

ニュース

日本におけるConTech(建設テック)関連のニュース 2023年7-9月分をまとめております。

2023年9月

大成建設、建設承認メタバースの開発に着手(Link
パナソニックはガラス建材一体型ペロブスカイト太陽電池のプロトタイプを開発したと発表した。ペロブスカイト太陽電池は、軽量かつ柔軟に製造可能という特徴を持ち、ビルの壁面や耐荷重の小さい屋根、あるいは車体などの曲面といった、さまざまな場所に設置できる次世代太陽電池として期待されている。また、塗布などによる連続生産が可能であること、レアメタルを必要としないなどのメリットも持つ。実用サイズ(800平方センチメートル四方)のモジュールとして世界最高レベルという17.9%の発電効率を持つペロブスカイト太陽電池を開発している。

大成建設、建設承認メタバースの開発に着手(Link
大成建設は、BIMデータを基に再現した仮想空間の建物を参照しながら、システム上で会議や承認作業ができるシステムの開発着手を発表した。発注者、設計者、施工者といった関係者間での合意形成に必要なデータや建設承認に至る議事録などあらゆる情報を一元管理し、合意形成の円滑化や、効率的なプロジェクトの推進を図る。現在現場で発生するBIMの図面化問題について、BIMデータのまま承認していけるシステムを目指す。

隣の防音部屋をミリ波で盗聴、瞬時にテキスト化する技術(Link
香港大学や清華大学に所属する研究者らがミリ波(mmWave)信号から音声を認識するストリーミング自動音声認識(ASR)システムを提案した研究報告が発表された。このシステムは、周囲のノイズに強く、防音対策した部屋の外からでも取得でき、これまでと異なり長い文章をリアルタイムに認識する能力を提供する。1万3000語以上の語彙の認識に対して文字誤り率(CER)5.7%、単語誤り率(WER)9.4%を達成した。Radio2Textは、静かな環境、騒々しい環境、音の遮断された環境で他の類似手法よりも優れていることを示した。

2023年8月

竹中工務店/鹿島が共同で、コンクリート床の仕上げ機械を開発(Link
竹中工務店と鹿島は、建設RXコンソーシアムのコンクリート施工効率化分科会の活動を通じて、コンクリート床の仕上げ機械「防音カバー付き電動ハンドトロウェル」を開発した。大きさは、奥行き1860mm×幅793mm×高さ690mm。重さは82kg。バッテリーの持ち時間は30分から90分で、交換可能。トロウェルはブレード(羽根)を回転させ、打設したコンクリートの表面を仕上げる。従来機に比べて、二酸化炭素(CO2)の排出量と騒音を減らせる。建設RXコンソーシアムは大手建設会社5社を幹事とする任意団体で200社以上の会社が参加する。

建設現場の段取りを妨げる資材をAIで検出する実証実験が成功(Link
NTTドコモとNTTコミュニケーションズは、画像認識AIを用いて遠隔から現場作業の段取りを妨げる資材を未然に検出し、作業を阻害する資材の移動指示などを作業員に共有する実証実験に成功したことを発表した。
具体的には、5分ごとに固定カメラで撮影した画像から使用予定の資材と突合し、作業阻害の可能性のある資材について、現場作業員とコミュニケーションを実施する。実際に、システムが資材として検出した物体のうち、資材であった確率(適合率)が90%以上、実際の資材のうち、システムが資材として検出した確率(再現率)が80%以上で遠隔から建設現場の段取りを妨げる資材を未然に検出する技術の有効性を確認したという。

オフィスで立ったまま寝る仮眠ボックス giraffenap(Link
広葉樹合板は、北海道大学と台湾成功大学との共同研究の結果、立ったまま寝ることができる仮眠ボックスgiraffenapを開発した。仮眠ボックス内では、「頭、お尻、すね、足裏」の4カ所を固定し、立ったまま寝て、睡眠段階2(軽い寝息をたてる程度の睡眠状態)の状態へと至る30分以上にわたる睡眠が実証された。2023年12月末に1台300万円で販売を開始予定。

3Dプリンター住宅、1LDK 550万で2人居住可能が竣工(Link
建設スタートアップ セレンディクスは、2人居住可能な3Dプリンター住宅「serendix50」の最初の1棟が竣工したと発表した。建設にかかった時間は44時間30分だった。広さ50m2の平屋造りで間取りは1LDK。バス・トイレも備えている。約4mという高さを生かし、高い天井のある室内を実現した。建築基準法に準拠し、耐火性、耐水性、断熱性も担保する。今後は安全性試験を実施した後、限定6棟の先行販売を行う。販売予定価格は550万円。

2023年7月

日本でも「竹造建築」が実現間近(Link
海外のリゾートでよく目にすることも多い「竹造建築」、日建ハウジングシステムは竹集成材構造の性能評価書を取得し、具体的な建設に向けて自治体などに働きかけを進めている。鹿児島県薩摩川内市内の市有地を敷地に地上1階建ての店舗を想定したモデルプロジェクトを計画。