IoTで安全な建設現場!事故を予防するTriax Technologiesとは

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海外事例
  • 建設現場における安全管理業務は膨大で非効率
  • Triax Technologiesは、IoTを活用したシステムの運用で安全性・効率性を向上
  • 同社は、新型コロナウイルス感染症への対策にも乗り出している

建設現場における安全管理、実は非効率?

建設現場は怪我や事故などのリスクを常に孕んでいます。例えば、工事中の建設物からの資材の落下や、作業員の転倒など、事故を招くリスクは多岐に渡ります。従来の方法では、こうしたリスクを未然に防ぐために作業員を常に配置し、点検や巡回を行ってきました。しかしながら、作業員が現場で起きていることを全て把握することは難しく、安全管理のための業務コストが膨らんでしまう事例や事故を防ぐことができなかった事例も散見されています。

こうした建設現場における安全管理に関して、近年ではテクノロジーを用いたソリューションが注目されております。今回は、ウェアラブル端末やIoTの技術を用いて建設現場のリスクマネジメントに関する複数の商品を展開しているアメリカのスタートアップ Triax Technologies (トライアックス・テクノロジーズ) を紹介します。

IoTによる安全管理を実現。Triax Technologies とは

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Triax Technologies (トライアックス・テクノロジーズ) は、2012年にアメリカで設立されたスタートアップです。同社は、革新的なテクノロジーとリアルタイムのデータ収集によって、作業現場をより速く、より安全に、よりスマートに変革することをミッションとして掲げており、IoT(モノのインターネット) などの技術を活用したサービスを展開しています。

同社のCEOであるRobert Costantini (ロバート・コスタンティーニ) 氏は、世界的なIoTに関する技術を有する企業であるORBCOMM, Inc.のCFOとして10年間活躍した経歴やマンハッタン大学で理学士号を取得し、ペース大学ロースクールで法務博士号を取得するなど幅広い知見と経験を持ちます。同社は、その幅広い知見とIoTの技術を核として、Spot-r system (スポット・アール・システム) という作業現場の安全性・セキュリティを向上させるサービスを展開しており、その革新的なソリューションが注目を集めています。

安全管理を向上させるIoT製品群

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Triax Technologies は、主力商品としてSpot-rシステムを展開しております。Spot-rシステムは安全管理を向上させる複数の商品の総称であり、Spot-r Clip (スポット・アール・クリップ) はその中でも中心的な商品です。

Spot-r Clipは、コンパクトなウェアラブル端末であり、作業員はヘルメットやベルトなどに装着して使います。これを装着することにより、作業員の建設現場における転倒をセンサーにより自動で検知することや、作業員が事故に遭った際にプッシュボタンを押すことで、管理者は管理者用のソフトウェアで通知を受信し、ダッシュボードで全ての情報を一元管理することなどが可能となります。

また、Spot-r Clipと連動するIoTの商品として、建設現場に設置し、リスク管理などの精度を高めるSpot-Evac Tag (スポット・イーバック・タグ) 、建設機材の安全管理を可能とするSpot-r EquipTag (スポット・イクイップ・タグ)、 労務管理の業務効率化を可能とする改札式の Spot-r Access Control (スポット・アール・アクセス制御) などの複数のサービスを展開しております。これらのIoTネットワークを全て連動させ、ソフトウェアで一元管理し、建設現場における安全性の向上や、労務管理や安全管理の効率化を可能とするのがSpot-rシステムです。

IoTでコロナ対策を実施するTraceTag

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Triax Technologiesは、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、上述したSpot-rシステムの技術を応用した商品TraceTag (トレースタグ)を開発しました。これは、トレースタグをヘルメットや作業着に装着することで作業員同士の半径6フィート(約1.8m)の接近を検知し、リアルタイムのアラームで警告。これにより、作業員がソーシャルディスタンスを維持することを容易にします。作業員同士の接触記録を収集・蓄積するため、万が一建設現場の作業員が新型コロナウイルスに感染した場合には、円滑に濃厚接触者などを特定することが可能となり、隔離措置などウイルス感染拡大を抑制するための対応に役立ちます。

加えて、この製品の特性はそのシンプルさにもあります。というのも、新型の機器を作業現場で導入しようとした場合、大きなポイントとなるのが扱いやすさです。多機能なため習得に時間がかかるようでは、到底現場では受け入れられません。その点、TraceTagはただ持ち歩くのみで効果を発揮し、接触データも機器が自動でダウンロードします。こうした導入のしやすさは、パンデミックに立ち向かう上で何よりも大切な要素でしょう。

建設業界だけではなく、石油・エネルギー業界でも活用

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Triax Technologiesの展開するSpot-rシステムを活用している業界は、建設以外にも多岐にわたります。特に石油・ガス施設やエネルギープラントなどでは施設の規模が大規模で、安全管理も非常に複雑であるため、業務コストも膨らみます。Spot-rシステムを活用することで、現場監督者にリアルタイムで作業員の労働状況を送信することで安全管理の効率化を可能とします。

まとめ

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今回はIoTの技術を活用し、建設現場における安全性・労務管理の生産性向上を実現したTriax Technologiesを紹介しました。従来は巡回や点検など建設現場の安全管理はアナログでしたが、同社のIoT技術により安全性は飛躍的に向上しました。今後も、建設業界をIoT技術で牽引する同社の活躍に注目です。