・米国の庭の管理には、業者選びに多くの苦労があった
・LawnStarterは専用アプリで業者選びや見積もり出しを一括管理
・今後は害虫駆除など、新たなサービスを追加していく
はじめに
米国では現在も、住宅の多くに庭がついています。芝生の庭の有無が一つのステータスとしても扱われることもあるほど重要視されてきましたが、近年その手入れの煩雑さが悩みになる人も多くなっています。そこで、手入れをプロに頼もうとするものの、庭の芝生メンテナンスを扱う業者は数えきれないほどいるため選別が難しく、質の悪い業者に当たってしまうことも珍しくありませんでした。
本記事で紹介する『LawnStarter(ローンスターター)』は、それらの悩みを解消し、消費者の負担を驚くほど軽いものにしています。では、詳しく見ていきましょう。
米国で急成長!LawnStarterってどんなサービス?
LawnStarterは、米国のオースティンを拠点とするスタートアップです。共同創設者のSteve Corcoran(スティーブ・コーコラン)とRyan Farley(ライアン・ファーリー)は、高校時代ともに芝生の管理運営をしていました。その際、芝生の手入れがいかに手のかかるものか、プロに注文することがどれだけ煩雑かなどを痛感し、2013年にバージニア州北部で事業をスタートさせました。その後、100人の顧客を連れてオースティンに移り、3人目の共同創設者であるJonas Weigert(ジョナス・ワイガート)に協力を依頼。彼がプラットフォームを改善し、今日の形に至っています。
庭の手入れ版Uberとでも呼ぶべきサービスを始めた彼らは、シリーズAの資金調達で600万ドル、2019年には1,050万ドルを調達することに成功したのです。彼らが『芝生メンテナンスの専門家を助け、消費者がサービスを注文および管理する方法を変える』と語るサービスとは何なのか、詳しく見ていきたいと思います。
煩雑さゼロへ!見積もりから依頼までたった5分!?
LawnStarterの基本的な流れとしては、まずスマートフォンに専用のアプリをインストールし、自宅の住所を打ち込みます。すると瞬間的に見積もりを作成、近くの業者からベストな人材を見つけ、スケジュールの調整までを行ってくれます。従来ここまでの作業がとても煩雑だったのですが、LawnStarterはわずか5分で完了するのです。
また、外出先からでもスケジュールの変更やサービスの更新、頻度の見直しができ、作業日に家を不在にしてもアプリに開始と完了の通知が。これによって、作業を見守って休日を潰してしまうこともなくなり、ストレスフリーに庭を保持、管理することができます。
確かな業者と簡単にマッチング
前述したように、米国では芝生メンテナンス業者の数があまりにも多く、選ぶのが難しい上、質の低い業者に当たってしまうことも珍しくありませんでした。加えて、芝刈りや放肥といった各サービスを別々の業者に依頼しなければならず、消費者には大変な労力がかかっていたのです。
そこで、LawnStarterはライセンスの取得や12年以上の実務経験、賠償責任保険への加入など、業者との契約に厳しい条件をつけることで消費者にとって安心な人材を確保しました。
その上、消費者は欲しいサービスに応じた業者を手配してもらえるため、あらゆる依頼をLawnStarterに一本化することができるのです。
利用者のレビュー
・初期設定が驚くほど早く済みました。庭の仕上がりにも満足していますが、何より満足していることは、今後自分で庭を手入れしなくて良いことです。-ヘンリー.I
・簡単な管理システムに加えて、芝刈り以外にも様々な要求を聞いてもらえるサービスを見つけることができて嬉しい!大好きです! -アンディ.V
・小さな子どもが3人いてとても忙しいので、LawnStarterは私の命の恩人です。-ブライアン.B
小規模事業者にもファンが多数
LawnStarterは庭の管理に悩む消費者だけでなく、集客に悩む小規模事業者のサポートも掲げています。LawnStarterに登録すると、担当エリアからの仕事の依頼が、アプリを経由して増えていきます。サービスを利用している業者は最低でも売り上げを30%以上伸ばしているそうですが、それによってLawnStarterから請求される利用料などは一切ありません。これは、一定の条件を満たす確かな業者と、庭の管理に悩む消費者、どちらにも寄り添う同社の考えによるものなのです。
業者のレビュー
・私の会社が成長するにあたって、LawnStarterは必要不可欠な存在でした。当初10~15しかいなかったクライアントが、利用を始めてから150以上に増えました。-アンドリュー.W
・請求のしやすさが素晴らしいです。長年ビジネスをやっていますが、ここまでスムーズに仕事ができ、振込みまで行ってくれるというのは驚きです。 -ルー.W
LawnStarterの今後
LawnStarteは現在、オースティン、サンディエゴ、オーランド、ワシントンDCを含む120の都市で利用できます。収益と純利益は前年度の100%の割合で増加する同社ですが、更に芝刈り・メンテナンス市場に浸透すべく、調達した資金で造園や害虫駆除などのサービスをプラットフォームに追加する準備をしていると言います。
2019年に1,050万ドルの投資をした、Edison PartnersのパートナーであるDan Herscovici(ダニエル・エルスコビッチ)氏はLawnStarterに対して、“責任を持って、非常に資本効率の高い方法”で収益性を達成する能力が高いと賞賛しており、今後の事業展開にも期待が膨らみます。
まとめ
LawnStarterはこの市場で唯一のスタートアップという訳ではありませんが、小規模事業者からの評価の高さや成長度で言えば他に類を見ません。庭付き住宅が主流の米国において、芝生の手入れはとても大きな市場なので、更にファンを獲得し、市場に浸透していくことで、大きな活躍が期待できそうです。