日本におけるConTech(建設テック)関連のニュース 2021年1-3月分をまとめております。
2021年3月
ソフトバンクVFが筆頭株主の不動産仲介スタートアップ「Compass」が上場申請(Link)
不動産仲介のスタートアップCompassがが新規上場を申請、SoftBank Vision FundがCompassの3分の1強を保有して筆頭株主となっている。最新の資金調達は2019年7月で、会社評価額64億ドル(約6835億5000万円)で3億7000万ドル(約395億2000万円)のラウンドを実施。同社の収入は2016年の1億8680万ドル(約199億5000万円)から2020年にはなんと37億ドル(約3951億9000万円)に膨張している。(CONTECH MAGで解説記事 Compassのビジネスモデル)
不動産DXのWealthParkがオルタナティブ投資のプラットフォームし、25億円調達(Link)
WealthParkは不動産管理会社向けのシステム「WealthParkビジネス」を提供することで、管理会社とオーナー間で紙での情報のやりとりの解決を目指す。管理会社は管理物件別の賃料・共益費・駐車場代などをダッシュボードで一覧することができる。80の不動産管理会社がシステム導入しており、約1万7000人の不動産オーナーが利用する。管理戸数は10万室を超えている。今後は、オーナーの家賃収入を活用する上でも不動産小口化商品の取り扱いもスタートする。
大成建設、AIで設計支援 業務時間を1割削減(Link)
大成建設はビルなどを設計する業務の一部を人工知能(AI)がサポートするシステムを開発し運用を開始。過去の設計データから類似する事例などを呼び出し、課題の解決に生かす。従来は膨大な社内データベースの活用が遅れていた。全従業員約1万人のうち設計には1割の約1000人が在籍するが、部門の業務時間を最大1割削減する効果を見込む。過去の設計者と審査部間での指摘事項や解決策のデータベースについて、AIが用途や規模、キーワードなどを基に類似の事例を探し出し、課題の早期発見と解決につなげる。
建設技術研究所、橋梁点検技術習得のためのVR研修ツールを開発(Link)
建設技術研究所は、VR(仮想現実)を使って橋梁定期点検を疑似体験し、橋梁点検に必要な基礎技術を習得するための研修ツールを開発した。コンクリート橋など他の橋梁形式やトンネルなどのコンテンツを充実させて、社内だけでなく地方自治体職員や海外の維持管理技術者の育成などにも活用を広げていく予定だ。
東大発建設テックARAVが建機向け自動運転システムを開発を開始(Link)
東京大学発の建設テックベンチャー、ARAV(アラヴ、東京都文京区)は建設機械向けの自動制御システムの開発に乗り出す。土砂の積み込みや輸送などの単純かつ反復作業の多い現場作業の効率化につながる自動制御システムの早期製品化を目指す。 既存の建設機械に後付けできるような端末を念頭に置き、特殊な建機を購入しなくても遠隔操作や自動運転に対応できるようにする。
APACを中心に成長するスマートロック市場とプレーヤー(Link)
米国の一般住宅用の大手鍵メーカーであるKwiksetは昨年11月に独自のSmartKeyセキュリティ技術を搭載したSC1キー溝を発表している。これにより、ドアからロックを取り外すことなくキーの再設定が数秒で可能となる。国内外のスマートロック製品の提供は近年活発になってきているが、Technavioの調査によると、2020年から2024年にかけてのスマートロック市場の平均成長率は9%で、その成長のうちの55%はAPACによりもたらされると見込まれており、APACを中心に成長していくことが予想されている。
2021年2月
Scope ARが企業向けブラウザベースAR作成プラットフォームを発表(Link)
Scope ARは3Dモデルを利用して製造業のトレーニングやコラボレーションを支援するツールを展開してきた。今回の「WorkLink Create」と呼ばれる新しいプラットフォームは、顧客が複雑な作業を回避し、Unityを使用せずにCADモデルの上に3Dコンテンツを作成できるようにする。新型コロナ時代のガイドラインによって、より多くのミーティングがバーチャル空間で行われるようになったため、商用教育、オンザジョブトレーニング、トラブルシューティングに焦点を当てたScope ARの製品は、新たな関心を集めている。
日本郵便がオートロックのマンション内、自動ロボで配達を検討(Link)
日本郵便は2023年度にも、オートロックのマンション内で自動走行ロボットを使った配達を始める。従来は同じマンション内に複数の届け先があっても1軒ごとに立ち入りの許可を得る手間がかかった。ロボット導入で最大3割の配達時間の削減を見込む。
3Dプリント×ロボッティクスで低価格な住宅を建設するMighty Buildingsが約42億円調達(Link)
オークランドのスタートアップMighty Buildingsは、3Dプリント、ロボッティクス、自動化を利用して「美しく持続可能で手頃な価格」の住宅を建設しようと試みている。同社はシリーズBのラウンドで4000万ドル(約42億円)を調達。従来の建設よりも「労働時間を95%削減し、廃棄物は10分の1、スピードは2倍」で3Dプリントによる住宅建設が可能。350平方フィートのワンルームならわずか24時間で3Dプリントできるという。
建設・電力・エネルギー業界向けドローンサービスのテラドローンが15.1億円調達(Link)
テラドローンは2016年創業で、海外のドローン関連会社をグループ化することで拡大、2020年度は海外法人含めた連結ベースでは約20億円の売上となる見込み。調達した資金は既存の点検・測量領域における顧客基盤の拡大、ドローン運航管理技術のさらなる開発にあてる。
住宅ローンマッチングサービス「モゲチェック」、総額6.3億円の資金調達(Link)
住宅ローン仲介サービス「モゲチェック」を手掛けるMFSは、第三者割当増資と借り入れで6億3000万円を調達した。これまで自社で開発したモデルを用いて各銀行の融資承認確率などを計算してきたが、新たにAIを用いた計算モデルを開発。4月以降の実装を目指す。ローンに通りやすい条件などを AIがアドバイスする機能も6月以降に追加する。
住宅購入検討者向けに、手書きの見取り図から3Dモデル作成して提供(Link)
スーパーワークスは注文住宅の購入を検討している人向けに3Dモデルの無料提供を開始する。手書きの間取り図からも作製が可能で、家づくりの検討材料にしてもらう。同社の契約工務店を紹介し、交渉につながって1000万円以上の見積もりになった場合に工務店側から価格の3%を仲介料として徴収。最初の1年で60件の受注をめざす。
カメラ映像クラウドのセーフィー、APIを開放(Link)
監視カメラシステムのセーフィーはこのほど、撮影した映像をクラウドで管理する同社のシステムを他社に開放した。新型コロナで現場の状況を遠隔で監視するニーズが高まっており、映像データを活用した現場作業のデジタル化を推進する。API使用料は監視カメラ1台あたり月額利用料は数百円から数千円の見込み。
NOT A HOTEL、アプリで不在日登録、貸し出し可能なホテルを今夏発売(Link)
ホテル開発・運営のNOT A HOTEL(ノットアホテル、東京・港)は8月に、ホテルとして貸し出せる富裕層向け住宅を売り出す。アプリで事前に日程を登録すれば、住宅をホテルに切り替える。オーナーはホテル宿泊費の半額を受け取れるほか、同社の別拠点の物件に無料で泊まることもできる。
沖縄発 IoT AI遠隔点検スタートアップ LiLzが約2.5億円を調達(Link)
LiLz(リルズ)はビルなどの設備メンテナンスにおける、メーター確認作業を低消費電力 IoT カメラで撮影、それをクラウドにアップロードし文字認識・画像認識することにより値を記録・分析するサービスを提供。ビルや病院、プラント、発電所、下水処理場、道路関連設備などあらゆる点検現場で導入され、2020年6月のサービスインから6ヶ月で約1,200台が稼働している。
住宅ローンを革新するスタートアップDivvy Homesが累計500億円を調達(Link)
住宅の購入プロセスを革新するスタートアップの「Divvy Homes」がシリーズCラウンドで1億1000万ドルを調達したと発表した。2017年創業の同社は、これまでエクイティとデットの資金調達で累計5億ドル(約525億円)以上を調達している。Divvyのサービスを使えば、住宅の購入希望者は、家の価格のわずか1%か2%の金額を前払いするだけで、その家に住むことが可能になる。買い手の多くは支払いの途中で住宅ローンの審査に合格し、3年後には物件所有権の最大10%を保有することになる。
ビル・ゲイツが2億ドルを投じて新しい汚水処理装置を開発(Link)
ビル・ゲイツは開発途上国の死者数を減らすために約2億ドル(約210億円)の資金を投じて新しいタイプの汚水処理装置を開発しており、彼のチームは、電気も使わず、排泄物を溜めるタンクもいらない汚水処理装置「オムニプロセッサー」が完成した。装置は、①ウンチの水分は蒸気にする。固形物は燃やす ②自己発電。蒸気エンジンで汚水処理装置に電力を供給する ③蒸気の水は飲用にする。現在、1台5万ドルかかるため、500ドルを目指し量産化には、日本のLIXILが協力している。
2021年1月
敷金の代わりとなる保険を提供するRhinoが資金調達を実施(Link)
不動産屋が敷金をもらわずに賃貸貸し出しが可能な保険を提供する米国スタートアップのRhinoは、Tiger Globalを中心とした投資家から9500万ドル(約98億5000万円)の資金を調達したことを発表した。これで同スタートアップの総調達金額は5億ドル(約518億5000万)弱となった。同社契約の年間経常収益(ARR)が急増し、2019年1月の400万ドル(約4億1000万円)から2021年1月には6000万ドル(約62億2000万円)と明らかにしており、数年でIPO想定と発表している。
スマートロックのLatchが不動産企業と組んで上場を目指す(Link)
スマートロックのハードウェアとオーナーのためのセキュリティソフトウェアを提供するLatchがSPAC方式での上場を目指すことを発表。同社はこれまで1億5200万ドル(約157億7000万円)を調達しており、評価額は15億6000万ドル(約1618億5000万円)と予想される。予約の売上は2019年から2020年にかけて50.5%伸びており、その間にソフトウェアの売上は37.1%増、ハードウェアは70%ほど増加したと述べている。
GAFAが住宅供給を加速、建設テックに商機(Link)
「GAFA(Google,Apple,Facebook,Amazon」が、巨額の資金を投じて住宅の建設に乗り出している。理由は自社社員ふくめた高額所得者が増加したことによる地域のち家上昇により住宅難を生み出したことへの一種の罪滅ぼし。この活動支援の中で建設テック企業が活躍しだしている。
アマゾンで購入できるホームオフィスが登場(Link)
エストニア発企業 ÖÖDは、1万9900ドル(約206万円)の箱入りバックヤードオフィスを発表した。まもなくアマゾンで購入できるなる想定。自宅の屋上にオフィス・ユニットを置きたいというベルギーの顧客と進行している。