日本におけるConTech(建設テック)関連のニュース 2022年1-3月分をまとめております。
2022年3月
鹿島、ブロックチェーンでコンクリCO2排出量把握(Link)
鹿島は日本IBMと組み、コンクリートの材料メーカーや運搬業者が作成した伝票に記載されたデータをブロックチェーンに連携させるシステムを開発した。材料の配合量や製造方法、運搬方法や距離などのデータを記録して共有し、排出量を積算できる。まず自社が手がける施工現場で試験的に導入し、他の建設現場にも展開する。
建築デザインで簡易デザインツールを提供を目指すArcol(Link)
Arcolは、ブラウザ上で動作する設計・文書化ツール。ArcolはFigmaがUIデザインの分野で成し遂げたことを、建築デザインでも実現することを目指す。2Dスケッチを3Dモデルに変換するウェブベースのツールを開発中で、小さなビルから超高層ビルまで設計可能になる。2022年後半に発売される予定で、ウェイティングリストは8000人を超えた。
世界の建設3Dプリンター業界地図(Link)
日本では、大手建設会社が自社での活用を念頭に置いて個別に開発を進めてきた建設3Dプリンター。世界を見渡せば、設立から間もないスタートアップ企業が主役となって急速に事業化を進めている。
東急建設、海外ファンド出資でベンチャー企業と協業を強化(Link)
東急建設は、米国AgyaVenturesFundに対して出資。海外で有望な不動産・建設テック企業の情報収集を強化する。「3つ(脱炭素・廃棄物ゼロ・防災減災)の価値提供」「人材」「デジタル技術」の領域でベンチャー企業との協業を前進させる。
2022年2月
ウォルト・ディズニーが街を建設(Link)
ウォルト・ディズニーは米国(カリフォルニア州南部の渓谷地帯、コーチェラ・バレー)テーマパークの知見を生かした、居住区の開発に乗り出すと発表した。最初のプロジェクトを始める。24エーカー(約9万7100平方メートル)の湖を囲む一帯に、一戸建てやコンドミニアムなどさまざまな種類の住居を設ける。55歳以上のシニア層に住んでもらう区画も用意する。
3Dプリンタでの10㎡以上の建築物施工に国内初成功(Link)
建設用3Dプリンタを開発するPolyuseは、群馬県渋川市で、ポリウスが提供したパーツを組み立てた。仕上げ工事などを実施して3月中に完成する。建築許可を取得した国内初事例。施工費は450万円で、従来の建築手法を用いた場合の500万円と比べ1割減らす。外壁のパーツ作製と現場の基礎工事を並行して実施し、設計から完成までを28日に抑え従来より35%短縮する。2023年メドに住宅として一般販売を目指す。今回の建造物の場合、売価は600万円程度になる。
建設業の就業者10万人減、倒産予備軍2万6000社(Link)
帝国データバンクが2022年1月31日に発表した建設業界動向調査によると、21年に倒産した企業では直近の売上高が前期から平均で約26%減少。借入金などの有利子負債が月商の何倍に当たるかを示す有利子負債月商倍率は、平均で5.87倍に達していた。建設業界で「減収26%以上」「有利子負債月商倍率5.87倍以上」に該当する企業を調べた結果、両方の要件を満たす「破綻リスク先」は、調査対象の5.7%に当たる約2万6000社に上ることが判明した。
触覚をデジタルで再現、遠隔でも熟練工の技を伝える(Link)
大林組は離れた場所に置いた2台の装置で力の感覚を共有し、現場にいなくても熟練工が左官作業ができる技術を開発した。2台のロボット装置を用意し、埼玉側には自由に動かせるハンドルがあり、職人が手に取って動かすと、ハンドルの位置や傾きがデータ化される。このデータが瞬時に大阪に送られ、ロボット装置に据え付けられたコテが同じ動きと力加減を再現する仕組み。
2022年1月
1000万円の平屋住宅、サプライチェーン改革で価格破壊(Link)
三菱地所グループの総合木材会社「MEC Industry(メックインダストリー)」は2022年4月から、鹿児島、熊本、宮崎の3県で木造戸建て住宅事業を始める。調達から、住宅の生産・販売といった川上から川下まで一貫し、規格型の延べ面積約100m2の平屋住宅を本体価格1000万円程度で提供する。
大成建設、環境配慮コンクリートを現場打ち舗装に適用(Link)
大成建設は大量の二酸化炭素(CO2)を固定する環境配慮コンクリートを現場打ち舗装に適用した。環境配慮コンクリートで造った石材調建材の舗装ブロック「T-razzo」との併用で5.3m3の舗装を施工し、従来のコンクリート舗装と比べて計1.5t分のCO2排出量を削減した。
3Dプリンター住宅が2月、国内販売予定(Link)
セレンディクスは、3Dプリンターで製造した球体住宅「スフィア」の販売を2月に始める。グランピング施設や別荘などでの活用を想定し、まず企業向けに販売を開始する。カナダと中国の2カ所の協力工場で建設用3Dプリンターによる部材の出力した後、国内へ輸送し設置作業に入る。電気設備は人力で施工し、建設作業は計3日間で完了できる。販売価格は300万円を見込む。企業はすでに64社、個人の購入希望件数も220件の要望がきている。
清水建設、量子コンピュータ技術を活用して、ダンプトラックの運搬量を10%向上(Link)
清水建設は建設発生土を現場から搬出場所まで順に運搬する複数のダンプトラックの走行ルートについて、道路の混雑具合や他車両の走行状況を踏まえ、タイムロスの最も少ない経路をリアルタイムに導出するシュミレーションを開発。実現場の走行データを用いて検証した結果、走行台数を変えずに1日当たりの運搬量を約10%増加できることが確認された。
ドラレコのデータ共有で事故予測や道路点検に応用(Link)
ドライブレコーダー各社が映像データを使った変革を急ぐ。デンソーテンは車や歩行者の動きから事故を予測。ドラレコは国内に約4000万台に設置済み。JVCケンウッドはNECと協力して道路の劣化度合いを診断する実証実験を始めた。自治体職員が乗る車にAIや加速度センサーを搭載したドラレコを付け、画像データや車の揺れから道路のひび割れやゆがみなどを計測する。管理サイト上で修繕が必要な箇所がわかり、道路の舗装点検コスト削減につなげる。