ConTech(建設テック)関連ニュース [2019年7-9月]

ニュース

日本におけるConTech(建設テック)関連のニュース 2019年7-9月分をまとめております。

2019年7月

米国不動産スタートアップZillow、不動産物件価値の評価改善に向け画像解析技術を活用(Link)
Zillowは、提供する住宅鑑定AI Zestimate に販売者、掲載代理店、家主から提供される数百万枚の画像をもとに訓練された AI モデルを追加した。これには、御影石を使った最新の調理台、リフォームされた浴室など、顧客から必要とされ、望まれている機能が物件の見積もり価値を引き上げるよう設計されている。Zillow によると、自然光やカーブアピールによっても違いが出るという。高級な仕上げ、暖炉、リフォームされた台所、新しい備品、手入れの行き届いた芝生についても同様だ。

Zillow は全国で約1億軒以上の住宅鑑定を行っており、誤差率は2%未満であり、全ての鑑定の半数が、最終的な物件の販売価格との誤差2%以内に収まっていることを意味する。4月時点の4%と比較して向上した。

JR九州、A.L.I.Technologiesと共同でドローンやAIを用いて鉄道施設を点検(Link)
九州旅客鉄道(JR九州)とA.L.I.Technologiesは、共同で無人航空機(ドローン)や AI を用いた鉄道施設の点検ソリューションを開発したと発表した。鉄道施設点検の効率化・高度化に加えて、安全管理などの各種オペレーションの改善へ向けた共同開発に取り組み、今後数年内の運用開始を目指す。

ツバイスペース、アパートに設置した地震センサーから建物の耐震構造をAIで解析、ブロックチェーンに記入し、頑丈な建物の設計と施工、建物管理に役立てるサービスを提供(Link)
ツバイスペースは、特許取得済みの地震対策システムにおける、センサー部分にあたる、IoT地震センサーを、東京都内のアパートに設置し、AIによる解析と共に、ブロックチェーンへの記録を開始した。アパートの地震耐性を実際の構造データ、加速度データ等からAIを使って明らかにし、事前のシミュレーションにより、安全な建物を設計し、かつ効率よく施工し、建物管理にも生かす。 

不動産テックのイタンジが創業100年超の大崎電気工業とNFC内蔵スマートロックでタッグ
(Link)
イタンジは大崎電気工業との業務提携を発表しスマートロック「OPELO」(オペロ)を活用した不動産賃貸サービスの業務改善を目指す。大崎電気工業は自動検針システム、スマートホーム関連機器など開発・販売する企業。Wi-FiやBluetoothでの接続は不要で本体だけでNFCでの解錠が可能なのが特徴。

2019年8月

東大発エレベータースタートアップの「株式会社東京」プレシリーズAラウンドとして総額1.2億円の資金調達を実施(Link)
​エレベーター向けスマートディスプレイ事業(「東京エレビ」、「東京エレビGO」)を運営する株式会社東京は、XTech Ventures株式会社をリード投資家として、East Ventures株式会社、クオンタムリープ株式会社、小澤隆生氏、伊藤将雄氏、関喜史氏、程涛氏、および事業会社、個人投資家を引受先とする第三者割当増資を実施し、総額1.2億円の資金調達

施主と解体⼯事会社をマッチングする⼀括⾒積もりサービス「くらそうね」のβ版がリリース、1.5億円の資金調達も発表(Link)
​解体⼯事・外構⼯事の3社⼀括⾒積もりサービスを運営するクラッソーネは、LINEを使った解体⼯事の⼀括⾒積もりサービス「くらそうね」のβ版を愛知県限定で提供開始した。物件の住所などに関する簡単な質問に答えるだけで、解体工事の⾒積もりを提示してもらえるサービス。最⼤10社の⼯事⾒積もりが、最短1⽇から随時閲覧可能となる。オプトベンチャーズ、静岡キャピタル、三⽣キャピタルを引受先とした第三者割当増資により、総額1.5億円の資⾦調達を実施。

SOUSEI Technology乃村社長インタビュー「吉本を出たIT社長、目指すは日本のジョブズ」(Link)
​スマートホーム専用のIoTデバイスの開発するSOUSEI Technology乃村一政社長のインタビュー。2010年に注文住宅のSOUSEIを創業。SOUSEIは今や奈良県ではトップクラスの住宅ビルダーであり、年商も13億円強まで拡大。

Unityは建築設計、エンジニアリング、建設向けの新製品「Unity Reflect」を限定公開(Link)
​Unity はAEC(建築設計、エンジニアリング、建設)向けの新製品「Unity Reflect」を限定公開、一般公開は2019年秋を予定している。複数の BIM/CAD データセットをワンクリックで統合し、リアルタイム 3D 用に最適化し、プロジェクトの状態をレビューし、関係者のフィードバックを集める。

2019年9月

大林組 3Dプリンターで製造/国内最大規模の構造物 2019年10月末にも完成(Link)
​大林組は、セメント系材料を使った3Dプリンターで国内最大規模となる構造物の製造に着手した。幅7,000mm、奥行き5,000mm、高さ2,500mmのシェル型ベンチで、10月末にも完成する。今回、製造しているシェル型ベンチは、3Dプリンターの特長を最大限生かしつつ、引張力などを検証しやすい形状として、オーバーハングのある波のような形状とした。内部構造の検討に当たっては、荷重条件に対して構造物として必要な部分に材料を分布させる最適な形状を導き出せるトポロジー解析を採用し、内部に一定間隔で中空を設けることにした。これにより、内部をすべてスリムクリートにする場合と比べて重量を約50%軽量化した。

建機の免許取得にVR、コマツが教習所を開拓へ(Link)
​設機械の訓練用VRシミュレーター「WorksiteVR Simulator」の拡販に注力している。注目すべきは、建機の免許取得プログラムへの導入を視野に入れている。2019年6月14日に開発したオーストラリア企業Immersiveの買収を発表している。同社が持つ、顧客現場の安全性や生産性の向上、オペレーションの最適化を目的としたシステムを日本国内でも展開していく

SOUSEI Technology、建築コンサルティングのナックから約3億円の資金調達(Link)
住宅会社と施主をアプリつなぐサービスを運営する「SOUSEI Technology」は、建築コンサルティング等を手掛けるナックより約3億円の資金調達を実施した。今後は、全国7000社のナック会員工務店をはじめとする工務店向け経営ソリューションや、経営指標スコアリング、および事業承継M&A仲介サービスを、共同で展開する。

お堅い建設マンもTシャツ姿でベンチャー協業、ゼネコンの研究開発が沸騰中(Link)
好業績を背景にゼネコン各社の研究開発投資が大幅増、課題はオープンイノベーションとしており、竹中工務店は独自のアクセラレータプログラムを実施。清水建設や竹中工務店、鹿島、大林組は米シリコンバレーに社員を駐在させて、出資や情報収集を行っている

解体工事の“多重下請け構造”を解消!施主と業者をLINEでダイレクトマッチング(Link)
クラッソーネは、“解体工事”に特化したB2C向けのマッチングサービスを展開している。個人の施主と解体工事会社を結ぶマッチングサービス「くらそうね解体」が、2018年度の施工高で40億円に到達。施主と工事会社の両者の間に入って、オーダーを受けてから解体工事会社を決定するまでのプロセスを一気通貫でサポートする。スマートフォンのLINE上でユーザーと解体工事会社をダイレクトにマッチングさせ、業界の多重下請け構造を解消する新サービスの準備を進めている。

「下町ロケット」の世界は建設にも、だから前田建設は自前主義と決別した(Link)
社会実装を急ぐために、自前主義はあきらめる――。前田建設工業はベンチャー企業とのオープンイノベーション(社外の技術やアイデアを取り入れてイノベーションを生み出す手法)をいち早く打ち出したゼネコンだ。110億円を投じて茨城県取手市に建設したICI総合センターを、その拠点と位置付ける。同社ICI総合センター長の三島徹也執行役員に、研究開発の方針やオープンイノベーションについて聞いた

ユニオンテック、台⾵15号被災地に建設職人を手配–ブルーシート敷設等の復興⽀援(Link)
建設⼯事マッチングサービスを運営するユニオンテックは台⾵15号被災地千葉県富津市の復興支援を開始すると発表した。専⾨技術を持つ職⼈の⼿配、屋根⼯事の経験があるユニオンテック社員を現場監督者として、千葉県富津市へ派遣し費用の一部として1000万円を負担する

建築・建設向けデモコンテンツのUnityプロジェクトデータを無償公開(Link)
Unityは建築・建設向けに当社オフィスを再現したデモコンテンツ『Unity Japan Office プロジェクト』をUnityエディタ上で動かせるプロジェクトデータを無償公開。また、BIMデータおよび点群(ポイントクラウド)データも併せて無償公開した。さまざまなパラメーターをリアルタイムで変更させ、内装デザインパターンの可視化、調光や反射のシミュレーションをすることが可能となっている。

無人コンビニ「600」、分譲マンションに初導入 マンションから出ずに買い物(Link)
日鉄興和不動産は、同社が東京都板橋区にて7月に竣工したマンション『リビオレゾン板橋本町ステーションサイド』に、600が提供するキャッシュレス無人コンビニサービス「600(ろっぴゃく)」を導入した。マンションに設置される「600」は、サービスの特徴そのものはオフィス向けのものからそのままで、マンション向けとしては日用品などの生活シーンで必要な商品にも対応し、住空間の半径50メートルに最適化した品揃えを提供する。